図で読みとく!「消費増税」に関する大誤解 日本の借金は世界最悪と言うけれど……

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菅原氏の近著 『図解使えるマクロ経済学』 では、経済学者たちが生々しく意見を戦わせる知的格闘技の世界を、イラストや図で楽しく解説

ですが、せっかく、「失われた20年」というポンコツタクシーを、「アベノミクス」という新車に入れ替え、昨年は名目GDP1%・実質1.6%成長(速報)と加速し始めたのに、あえて、道路工事の段差(消費税ショック)を作って、突っ込まなくてもよさそうなものです。

将来的に、道路をきれいにするのは必要ですが、すでに当の政府が「工事の完成はムリ」と、分析しています(昨年8月の閣議)。社会保障費が、毎年1兆~1.5兆円の自然増で、2013~22年度の実質GDP成長率2.1%のケースでも、「2020年にプライマリー・バランスは12.4兆円不足する」というものです。

どのみち工事が完成しないのなら、今すぐに、クルマが壊れる(財政破綻する)わけではないので、十分に加速し、スピードが出た(経済が回復した)時点での増税で十分です。

タクシーの乗客(国民)も、運転手(安倍政権)のハンドルさばきに期待しています。今度の衆院選は、与党も野党もみな増税延期か廃止という立場なので、本当は、政治主導vs.官僚、安倍政権vs.財務省の戦いなのかもしれません。

菅原 晃 高校教師

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すがわら あきら / Akira Sugawara

1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。玉川大学大学院文学部修士課程(教育学専攻)修了。現在、北海道の公立高等学校の教諭を務める。

前著『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』が、「現役高校教師による経済学の最高の教科書」と大きな評判を呼び、ベストセラーに。わかりやすく経済学の本質を伝えようとする骨太の解説に定評がある。

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