中国の新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車は2月25日、2021年通期の決算報告を発表した。それによれば、車両販売の売上高は261億元(約4768億円)、純損益は3億2000万元(約58億円)の赤字だった。また、車両の出荷台数は約9万台と、前年の2.8倍に増加した。
注目に値するのは、2021年のなかでも10~12月期の業績が飛び抜けていることだ。同四半期だけで通期の4割弱の3万5000台を出荷し、純損益が2億9550万元(約54億円)の黒字に転換した。
理想汽車が生産・販売するEVは、現時点ではレンジエクステンダー型の「理想One」1車種だけだ。同社によれば、2022年1~3月期は3万~3万2000台の出荷を見込んでいるという。
(訳注:レンジエクステンダーは、EVに発電専用エンジンを搭載して航続距離を伸ばす方式のこと)
「2022年の4~6月期には、次世代のレンジエクステンダー向け車台をベースにした新型車を発売する。2023年にはさらに2車種を追加するほか、高電圧方式の新型EVをお披露目したい」。理想汽車の沈亜楠CEO(最高経営責任者)は、決算説明会でそう述べた。
2023年に年間生産能力75万台目指す
新型車の投入ラッシュに備えて、理想汽車は生産能力の拡大を急いでいる。同社は江蘇省常州市に年間生産能力10万台の工場を持ち、2021年から拡張工事に着手した。完成後の生産能力は年間20万台に倍増する予定だ。
2021年10月には、北京市で(通常型の)EV専用の新工場建設を開始し、2023年に稼働させる計画だ。さらに、2021年12月には重慶市政府と枠組み協定を結び、第3工場の建設を準備している。
沈CEOは決算説明会で、2023年までに年間生産能力を75万台に引き上げる考えを示した。なお、理想汽車の創業者の李想氏は2021年2月に社内向けに発表した中期計画のなかで、中国のスマートEVの市場規模が2025年には年間800万台を超えると予想。理想汽車はそのうち20%のシェア獲得を目指すとしている。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2月26日
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