中国のDXを侮る人がわかってない「日本との大差」 日本が岩盤規制と既得権にとらわれているうちに

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ちなみにこの間、アメリカ企業は1995年版で23社、2020年版でも34社と、その勢いを維持しています。

オンライン医療のトップランナーは中国企業

マクロ視点での劣勢を正しく認識したところで、具体的な事例ではどれくらい先を行かれているか確認しましょう。ここでは2つ紹介します。

ひとつは、日本では規制や業界団体の抵抗で遅々として進まない「オンライン医療」に関するDX事例です。

この分野での世界最先端事例は、中国の保険企業・中国平安保険が提供する総合医療プラットフォーム「平安好医生」で間違いないでしょう。

コロナ禍を背景に急成長を遂げ、2022年の年頭時点で3億人を超える利用者を有しています。当初はオンラインでの問診と健康管理が主なサービスでしたが、専門医の紹介や薬の配達サービスなどに事業の展開領域を次々と拡大。

同社のアプリでは、ユーザーが最初に22種類の診療科から必要な科を選択すると、登録されている医師のリストとそれぞれの問診料が表示される明朗会計です。客寄せを意図してか問診料無料の医師もいますし、有料であっても20分で20~60元(およそ340~1020円)と、比較的低額で医師の診察を受けられます。なかには夜間や休日の問診に対応している医師もいます。

まずはAIとの対話で症状に合った評判のいい医師を見つけ、オンラインでその医師の診察を受けることもできます。

問診の手段はチャット、電話、ビデオ電話の3種類があり、実際の来院の予約や問診料の支払い、薬の購入とその支払い、最寄りの薬局での受け取りや自宅への配達まで、このアプリだけで完結できます。

また、医師や薬局に対する利用者の評価やコメントも記載されているので、安心して受診できるシステムになっています。

薬の受け取りや実際の来院などを除けば、物理的な距離や時差を気にせず利用が可能。法律上は微妙ですが、日本で生活している在日中国人の中にも同アプリを利用して、中国の専門医に母国語で新型コロナウイルスや持病の相談をするケースが多くあるようです。

新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、中国に限らず海外ではスマホやパソコンで医師の診断を受けるオンライン診療の流れが加速しました。アメリカ、中国、イギリスでは迅速に対応し、すでに保険適用もされています。

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