世界で人気!「数百万人に教えた絵画講師」の正体 「絵の描き方」を通して世界に伝えるメッセージ

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半信半疑のままかもしれませんが、ぜひ紙と鉛筆を用意して本を開き、「ペンギン」の写真に向き合ってみてください。

まず、浮かんでくるのは「輪郭をどうやって描こう」という不安かもしれません。

そんなとき、キスラー氏がまずアドバイスするのは「円や四角形など身近な図形に分解してみよう」というものです。

もし「楕円形が上手く描けない」と戸惑う人がいれば、そんな人には「自分の指をなぞってみよう!」というユニークなアドバイスもしています。

自分の中の「苦手意識」が動き出す前に、次々と実践的な解決法が示され、制限時間と戦いながら、「ゲーム感覚」で描き上げていく楽しさが味わえます

『誰でも30分で絵が描けるようになる本』のレッスンどおりに、新井氏が描いた「ペンギン」の絵

「とにかく描いて楽しもう」というのが基本メッセージですが、やみくもに描くのではなく、「上手く描くための賢い方法」を見つけるのがキスラー流です。

「試行錯誤して上達するのは、もともとセンスのある人だけ。普通の人は、その前に絵を描くのが嫌いになってしまう」という言葉にも説得力があります。

YouTubeのレッスンは、平易な説明とキスラー氏のパフォーマンスにより、特に英語力がなくても、紙と鉛筆さえ用意すれば誰でも参加できます

描き方のステップは本と同じ。紙ナプキンで陰影をぼかしてプロのようなタッチに仕上げる「小ワザ」など、本と併用するといっそう楽しめる内容も登場します。

YouTubeチャンネル「Mark Kistler」ハロウィンの描画レッスンを見て、新井氏が描いた「Bat Bear!」の絵

自宅でできる!最高の気分転換

長引くコロナ禍、どこか遠くへ出かけるといったリフレッシュが難しい状況が続いていますよね。そんなとき、「30分ひたすら紙に向かって絵を描いてみる」ことは、想像以上の気分転換になります

自宅の机や、お気に入りのカフェの席を「アトリエ」に、ほんの30分集中して、ひとつの絵を描き上げてみる――そんな小さな創作活動が、思わぬ達成感につながり、日常に喜びをもたらしてくれるでしょう。

「描きたい気持ち」さえあれば、絵を描くことは誰にでもできるのです。「キスラー流メソッド」で「絵を描く楽しさ」を味わってみませんか? 

新井 円 ライター

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あらい まどか / Madoka Arai

1982年北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科で芸術学を専攻。2007年修士課程修了後、札幌の出版社・編集プロダクションに取材記者・ライターとして勤務する。グルメ、旅行、アートなどの分野を中心に、情報誌、航空機機内誌、新聞各紙に執筆。家族の都合で上京後、子育てをしながら、フリーでライターや編集補助の仕事に携わる。J.S.A.ワインエキスパート、野菜ソムリエの資格を取得し、趣味の料理をいかしてイタリアワインのサイト「レアーレカンティーナ」にコラムを執筆中。

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