人口3590人過疎地の園に通う「保育園留学」の凄み 短期滞在者の増加による地域活性化にも期待

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現在、2022年12月まで満員となり、キャンセル待ち含め114組の申し込みが来ている保育園留学。最初の留学生は、厚沢部町ともに「保育園留学」を企画・運営する、キッチハイクの山本雅也代表の娘だった。なぜ、山本代表は別の地域ではなく、厚沢部町で保育園留学を企画したのだろうか。

「キッチハイクでは、地域の魅力を広く社会に伝える『ふるさと食体験』というイベントを企画・運営しており、厚沢部町のメークインを取り上げたことがあったんです」(山本代表)

広い園庭に目を奪われた

普段から、園庭のない保育園や、緑の少ない公園で子育てすることに疑問を抱いていた山本代表。ふるさと食体験で知った厚沢部町の保育園を何となく調べてみると、はぜるの緑あふれる広い園庭に目を奪われたという。早速、厚沢部町役場の担当者に相談し、一時預かり事業を使って、家族で厚沢部町に向かった。

「子どもは広い園庭で走り回り、はじめて自分で収穫した野菜を食べ、毎日楽しそうに園に通っていました。普段、都市部で忙しなく過ごす私たち大人も、厚沢部町の豊かな自然のなかで生活して、日々の過ごし方について考えさせられましたね。これは、子どもにとっても、家族にとっても良い体験になると感じました」(山本代表)

週末には家族で野菜収穫も楽しんだという(写真:キッチハイク)

3週間の滞在で使った食費やガソリン代などの生活費、そして外食費は数十万円にのぼる。これは町の経済にとってプラスになると考えた。

「滞在中の生活費はもちろん、短期滞在で厚沢部町を好きになれば、特産品のメークインを取り寄せる人もいるでしょう。ゆくゆくは、移住する家族も出てくるかもしれない」(山本代表)

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