人口3590人過疎地の園に通う「保育園留学」の凄み 短期滞在者の増加による地域活性化にも期待

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「夏になると、園児は園内の畑でピーマンやトマト、きゅうりを収穫します。収穫した野菜を使って、みんなでピザを焼くこともありますね。苦手な野菜も、自分で収穫すると自然と食べてくれますよ」(橋端教諭)

園児は自分で野菜を収穫する(写真:キッチハイク)

2019年に開園したはぜるは、施設もかなり充実している。園舎は災害時も安全な高台に建てられ、園庭にある築山は、子どもたちの足腰を強くする。園内にはボルダリングも設置した。広い園庭と豊かな自然。環境は申し分ないが、子どもは初めて通う園にすぐ慣れるのだろうか。

第2のふるさとになった

「初めて通う園のお友達と仲良くできるか心配でしたが、初日のお迎えで『もう迎えに来たの?もっと遊びたい!』と子どもに言われて驚きました。最終日も、『これからもはぜるに通う!』と言っていました」(佐藤綾子さん)

留学生の受け入れ前はオンライン面談を行い、保護者や子どもにはぜるで体験したいことをヒアリングする。留学前から先生の顔を見て話をしているからこそ、子どもも安心して園に通うことができるようだ。

はぜるに通う子どもたちも留学生に興味津々で、「どこから来たのか」「普段はどんな保育園に通っているのか」など質問をたくさんしたり、一緒に遊んだりすることで、「いい刺激になっている」(橋端教諭)と言う。

圭君を保育園に預けている間、綾子さんは短期滞在用住宅で普段通り仕事をし、仕事の合間には、休暇中だった夫と、郷土料理教室やそば打ち体験に行ったそうだ。

今夏、再び厚沢部町を旅行したいと話してくれた佐藤さん。家族にとって、厚沢部町は第2のふるさとになりつつあるという。

「私たち夫婦は地元に帰っても、もう親戚がいないんです。でも、子どもには、祖父母の家で、虫取りや川遊びをするといった経験もしてもらいたかった。第2のふるさとを探していたとき、保育園留学を通じて厚沢部町と出会いました。昨年末は1週間でしたが、次は2週間滞在したいです。夏の水遊びや、野菜の収穫ができたらいいですね。はぜるにも顔を出して、先生にも会いたいです」(佐藤綾子さん)

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