大ヒット商品の「第二弾」が振るわない納得の理由 統計学を駆使するだけでは需要は読み取れない

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とはいえ、生活の中で需要予測について意識することはほとんどないと思います。ビジネスでも同様で、モノをつくるメーカーや資格試験、エステなどのサービスを提供する団体、店舗でもこれまではあまり意識されてきませんでした。

メーカーでは商品の需要を予測し、生産しておくことは極めて重要ですし、サービスを提供する企業でも、需要予測を基に必要な設備を確保しておくことは同様に重要です。しかし、マーケターや営業担当、販売員といった従業員にとって、商品や設備はあって当たり前であり、それを前提に仕事をしているため、平時には需要予測の価値を感じにくいと言えます。

成熟した日本市場のように変化が比較的緩やかな環境では、需要が大きくは変化しないモノ、サービスが多くなります。もちろん、一部の目新しい商品や流行の影響を受けやすいサービスなどの需要予測は簡単ではありません。それでもテレビCMを大々的に放映し、小売店でのキャンペーンを展開すれば、多くの消費者が欲しいと思う時代がありました。こうした環境下では、過去のデータさえあれば、ある程度の精度で需要を予測することはむずかしくありません。

需要予測はどんどんむずかしくなっている

しかし、2015年以降を思い出してみてください。政府が訪日プロモーションを積極的に行い、訪日外国人の急増によって、日本市場における顧客は急速にグローバル化が進みました。1997年、2014年、2019年と3度の消費増税もあり、多くのカテゴリーにおいて駆け込み需要やその反動による需要の減少がみられました。

さらに2020年からは新型コロナウイルスの感染が拡大し、未曾有の市場変化もありました。こうした市場の動きを鑑みると、成熟した日本市場ももはや変化が緩やかとはとうてい言えない状況です。

このVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity:変動可能性・不確実性・複雑性・曖昧性)と言われる環境の中で、需要予測はどんどんむずかしくなっているのです。

ここで1つクイズを出題します。頭の体操のつもりで、少し考えてみてください。

「リンゴ味のアイスが大ヒットしたお菓子メーカーが、翌年、みかん味のアイスを発売したら売れなかったのはなぜか?」

このケースで、お菓子メーカーは需要予測をしています。りんごもみかんも定番の果物なので、りんごアイス同様にみかんアイスも売れると予測したわけです。

しかし同様に売れない理由は、いろいろ考えることができます。りんごアイスを発売したとき、たまたまりんごに含まれるある成分が新たに流行した病気を防ぐことがわかり、りんごブームが来ていたのかもしれません。みかんにも同じ成分が入っていなければ、りんごのようには売れないですよね。

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