「マリカー8」全世界で圧倒的に支持される理由 ゲーマーが勧める「最初に買うべき最高の1本」

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そうなると気になってくるのは他のプレーヤーとの実力差だ。発売から長く経っているソフトで、いまさら初心者が入り込む余地などないのではないかと。しかしそうした不安はゲームシステムが払拭してくれる。

マリオカートシリーズに限らず、対戦型のレースゲームには「下位のプレーヤーほど有利になる」仕組みが備わっていることが多い。1位のプレーヤーから大きく離されてしまったプレーヤーのマシンの最高速度が上がったり、グリップ力が高くなることでカーブが簡単に曲がれるようになったりするなどの強化が行われるため、上位に追いつきやすくなる。

8では、この仕組みは「アイテムの優劣」という形で現れる。トップを順調に走るキャラがアイテムボックスを取得しても、コインやバナナといったレースの大勢にほぼ影響のない弱いアイテムの出現率が高くなる。

その一方で下位のキャラは、無敵になれるスーパースターや、自分以外の相手を小さくして遅くするのと同時にアイテムを消失させるサンダー、そして無敵になってかつ超高速で、操作せずともコースアウトなしにガンガン突っ走るキラーなど、一気に戦況をひっくり返すことができるほどの、強力なアイテムが手に入りやすい。

いつでも上位浮上の可能性があるから、彼らと大きく離されてしまった下位のプレーヤーでも、最後まで勝負を諦めることなく真剣に楽しむことができるのだ。

じゃあ「運ゲー」なの? いやいや…

それでいて、決して「運ゲー」で終わらせられないゲームバランスの良さも見逃せない。

下位のプレーヤーが取得できるアイテムが強力すぎて、終盤で簡単に逆転ということばかりが起きるゲームなら、プレーヤーのスキルが一切関係ない「不公平な運ゲー」と呼ばれてしまうだろう。

確かに、トップを走っていて最後の最後にトゲゾーこうらがこんにちはして1位を逃すとか、半端な順位でゴールかと思いきや、最後にキラーに吹き飛ばされて最下位転落なんていう不運がないわけではない。局所局所で、理不尽な負けがあったり、逆に偶然勝ってしまうこともある。

しかしそれでも8は全体的に見れば、ショートカットやミニターボなど、さまざまなテクニックを確実に使いこなして、地道に下位とのタイム差を積み上げることができる上級者が勝ちやすいようにできている。このバランスが絶妙なのである。

こうしたゲームデザインは、上位のプレーヤーと下位のプレーヤーで、同じレースを走りながら、まったく異なるゲーム感をあたえるものとなっている。

先頭のほうを走っているときには、アイテム関係なしにしっかりとしたコース取りや細かなテクニックが要求されるのに対し、後ろのほうにいると強力なアイテムでの殴り合いの様相を呈してくる。

先頭のほうは自分の実力が素直に出て、そのまま後ろを振り切って勝つことができれば楽しいし、後方なら負けてはいるものの、アイテムが乱舞してゲームが派手になるので楽しい。勝てば実力。負ければ運ゲー。どちらでも楽しめる。

そして忘れてはならないのが、ゲーム配信者との相性の良さである。

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