円高、不均衡是正に政治は真剣な議論を


 不均衡是正は、赤字国が金融を引き締めて消費を抑制する赤字国責任によっても進展する。このアプローチのほうが本来原則的であっても、今、赤字国の米国は深刻な金融危機の渦中で、金融引き締めはできない。

とすれば、米国が言う不均衡是正の努力はいよいよ黒字国に突き付けられる。猛烈な勢いで経常黒字をため込む中国もさることながら、わが国にもその矛先が向かいやすい。

政府、あるいは政治はこれらの問題にどう取り組むのか。「柳腰」発言やら、「国会内撮影」問題やらで喧々囂々(けんけんごうごう)だが、そんな低レベルの議論に国会審議の時間を割くことは許されまい。

もちろん、事業構造の転換や円高メリットを生かして海外企業買収に乗り出すなどの民間努力は欠かせないとしても、世界経済の仕組みが構造的なきしみをあげている現実は、政治が本来の役割を果たすことを迫っている。

(シニアライター:浪川 攻 =週刊東洋経済2010年11月6日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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