インドで流行るもの、それは「電池式冷蔵庫」

国民に寄り添う製品を開発するゴドレジ財閥

この特許を持つアルデシル氏は錠前メーカーとしてゴドレジを創業し、続いて金庫やせっけん、タイプライターなどに事業範囲を拡大した。

現在の事業分野は家電のほか、ヘアカラーや洗面用具といった日用品、家具、不動産、セキュリティ、農業など非常に幅広い。従業員は2.5万人、年間売上高は約40億ドルに上る。現在はアルデシル氏のおいの子に当たるアディ・ゴドレジ氏がグループ会長として経営トップを務めている。17歳の時にインドを離れ、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で経営学を学んだ人物だ。

植物性油のせっけんを開発

ゴドレジの事業はつねに自由な発想と歴史を物語るエピソードに彩られている。たとえばせっけんの場合、従来品にはヒンドゥー教徒が使うには適切でない動物性脂肪が原料として使用されているのを知ったアルデシル氏は、誰もが無理だと言っていた植物性油からせっけんを作る方法を開発した。

また英国女王が1905年に随行団と共に訪印した際、女王用の金庫を用意するよう求められ、それに応えたのがゴドレジだった。ちなみに金庫の流れを汲んで、現在は国内企業としては初めて包括的なセキュリティ・ソリューションを提供している。住居、商業施設、オフィス向けから防衛向けまで幅広く手掛けており、インド国内だけでなく45カ国以上に輸出もしている。

近年ゴドレジはアフリカのモザンビークやケニアなどに日用品の工場を展開するなど、インド以外の新興国へもビジネス展開が盛んだ。M&Aにも意欲的で、10月には南アフリカで頭髪用のエクステンション(付け毛)を手掛ける企業を買収している。創業117年を迎えなお成長意欲の高いゴドレジ。インド通でなくても目が離せない企業だ。

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