ヤマトの羽田新ターミナル、見えてきた巨大プロジェクトの全貌

ヤマトの羽田新ターミナル、見えてきた巨大プロジェクトの全貌

ヤマト運輸を傘下に擁するヤマトホールディングスの瀬戸薫社長は10月25日に記者会見し羽田新ターミナルの全貌を発表した。ヤマト運輸は2007年12月25日に、大型施設用の土地・建物として、荏原製作所から東京都大田区羽田旭町の敷地面積10万2881平方メートルの土地、当時建築中だった地上12階、地下1階の延べ面積2万9218平方メートルの建物を845億円で取得すると発表。08年2月に土地を、同年4月に建物を取得済みだったが、新ターミナルの全貌を発表したのは今回が初めて。

新ターミナルの総延べ床面積は20万平方メートルと東京ドーム4個分の広さ。ヤマトグループ内で最大規模の物流拠点となる。2011年1月に着工し12年7月の竣工、同年10月の稼動開始を目指す。東京湾の大井埠頭、羽田空港、JR貨物ターミナル、首都高速1号羽田線や湾岸線に近いという利便性を活かすほか、「世界に類を見ない」(ヤマトHDの瀬戸薫社長)最新鋭のマテリアルハンドリング(自動仕分け機)を設置することで、荷物の処理能力を自社の従来ターミナル比で50%向上する一方、自動化で作業人員や労働時間の投入量を44%低減する。

延べ17万平方メートルの物流棟は高さ48メートル。一般的なビルでは12階建てに相当する高さの物流棟を、最新鋭のマテハンを導入するために地上6階建てとしフロアの高さを十分取る。ヤマト運輸の木川眞社長は「技術の細かい話は出来ないが」と前置きしたうえで、最新鋭のマテハンについて、「左右対称に同じマテハンを配置。フロアを4分割し業務量の繁簡に応じた動かし方が出来るようにする。全く別の作業を同じラインで出来るようにする『カメレオンソータ』も設置。世界初の下にコロがついたロールボックスパレットを自動搬送する装置も導入する」と熱く語っていた。

「国内宅配需要の見通しは低調なのになぜ踏み切るのか」「国際貨物需要は羽田ではなく成田のほうが大きいのではないか」などの厳しい質問に対して、瀬戸社長は「顕在需要にはかげりがあるが、ネットスーパーなど潜在需要は大きい。また今までのようなサービスでは羽田に(国際貨物需要は)ないが、新しい仕組みのサービスを提供することで(貨物専用便ではなく、旅客機の下腹に積む)ベリー便の需要は十分ある」と反論していた。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 最新の週刊東洋経済
  • 御社のオタクを紹介してください
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT