初試算!朝の電車「激コミ区間」ランキング 東名阪で、朝に乗客が集中するのは?
さて、大都市圏の鉄道では最混雑1時間に一体どれほどの利用者が集まるのであろうか。列車が運転されている時間帯を朝5時から深夜0時までの19時間とすると、1時間は5.3パーセントに相当する。最も高い混雑率は200パーセントであるから、集中率は5.3パーセントの2倍の10.6パーセントほどではないかという予想が成り立つ。
ところが実際にはさにあらず。今回対象とした路線で最も集中率が低かったのはJR東日本山手線の15.9パーセントと、10.6パーセントの1.5倍に達する。集中率の平均値は首都交通圏が26.4パーセント、中京交通圏が25.9パーセント、京阪神交通圏が25.3パーセントであった。各交通圏とも朝の通勤、通学ラッシュ時に1日の利用者の4分の1が集中しているというのは驚くべき状況だ。
首都圏では、鶴見線や常磐線の区間で高い集中率
まずは、首都圏から見てみよう。
目を引くのは、JR東日本鶴見線の44.2パーセントという全国一の集中率である。実に1日の利用者の半数近くが最混雑1時間に押し寄せていることを示す。
京浜工業地帯に敷かれている鶴見線の利用者の大多数は、沿線の企業で働く人たちである。鶴見線では企業の始業時間に合わせ、7時30分から8時30分までの最混雑1時間に列車が14本(2014年11月現在は12本)も運転されているものの、日中の時間帯は1時間当たり3本にまで減らされ、朝のにぎわいがうそのように静まりかえってしまう。
集中率2位、3位を記録した常磐線の中距離電車、緩行電車も高い水準にある。前者は上野駅と土浦・水戸両駅方面との間を結ぶ系統を、後者は東京地下鉄千代田線の代々木上原駅方面と我孫子・取手両駅方面とを結ぶ系統をそれぞれ指す。ともに170パーセント台という最混雑1時間の混雑率、そして40パーセント前後の集中率という2つのデータから、時差通勤、通学を積極的に実践すべきであろう。
常磐線は鶴見線とは異なり、沿線に多数の住宅地が建ち並ぶという大都市圏でよく見られる形態の路線である。こうした路線では通常、日中の時間帯にも買い物などの利用者が多数乗車するために集中率は下がるものだが、常磐線ではそうした傾向は見られない。
ただし、中距離電車と同じ線路を通り、主に上野駅と取手駅との間を結ぶ快速電車の集中率は28.5パーセントと低いから、日中になると中距離電車や緩行電車はこの快速電車によって肩代わりされていると言える。
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