北朝鮮は「食料不足」から脱却したのか 現地専門家は「穀物生産は増勢維持」を強調

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同時に、国家も水を優先的に農場に回し、また電気供給も農場に優先してポンプによる水のくみ上げを可能にさせるなお、水の確保に全力を尽くしたことも作況を下支えしたようだ。

――今年、金正恩第1書記による「新年の辞」では、農業生産がまず言及された。具体的に今年の農業分野ではどのようなことがなされたのか。

朝鮮社会科学院経済研究所の金光男・農業経営室長。農業生産の増産や近代化への実績を強調した

農業の機械化が進められた。

たとえばコメでは移動脱穀機を投入されたことで、これまで収穫から3〜4カ月かかっていた脱穀が1カ月半で済むようになった農場も出てきた。

これまでは農場内の脱穀所まで運んで脱穀していたが、移動脱穀機を使うことでその場で脱穀でき、農作物の流出も減ることになった。

畜産業では、(北朝鮮東部の)江原(カンウォン)道にある洗浦(セポ)畜産基地の拡張工事がある。5万ヘクタールの大規模畜産基地であり、金正恩第1書記が指示したモデル基地でもある。

牧草の生産も1ヘクタール当たり70トンになる。このような畜産基地を各道に設け、養豚や養鶏などを拡充し生産の正常化を図って生産量を上げていく方針だ。

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