米中間選挙後、為替はどうなるか?

市場が注目するのは、「議会の人数」ではない

NYタイムズやFiveThirtyEight(ESPN)では、世論調査の様々なバイアスを修正した上で、各政党が上院の過半数議席を獲得する確率を計算しているが、いずれも共和党の勝率を6割以上と発表している(NYタイムズは68%、FiveThirtyEightは62.3%)。最も蓋然性の高い議席配分については、両者ともに共和党が52議席、民主党が48議席となっている。市場でも共和党が上下両院で過半数を獲得し、議会のねじれが解消するとの見方が強まっている。

では中間選挙後の焦点は何か。まず「つなぎ法案」や債務上限といった財政問題が焦点となる。具体的には、12月11日に現在の歳出を賄っている「つなぎ法案(継続予算決議)」が失効するほか、来年3月15日には債務上限の引き上げが必要となる(一定期間は引き延ばしも可能と見られる)。

2013年のような連邦政府閉鎖リスクはあるか?

期限に間に合わなければ、再び2013年10月のような連邦政府閉鎖となるリスクがある。しかしこの時の連邦政府閉鎖では、むしろ共和党が批判の矢面に立たされたことから、再び政府閉鎖に陥るような状況は回避される公算が大きいと見られる。

こうした財政面の課題以外にも、税制改革、移民制度改革、エネルギー政策、住宅市場改革、通商政策(TPPなど)といった政策課題が山積している。中間選挙の結果がどうなろうと、これらの政策課題に対して与野党の協力体制が強まるかどうかについては疑念が残る。

仮に共和党が上下両院で過半数を獲得した場合も、議事妨害(filibuster)の打ち切りに必要な60議席に達する可能性は、ほぼ皆無に等しいと見られ、主要政策の議会通過には与野党双方の妥協が不可欠だ。

そもそも民主党のオバマ大統領が共和党議会が可決した法案に拒否権を発動し続ける可能性がある。これらの政策措置が一部のセクターに影響を及ぼす可能性はあるものの、マクロ経済や為替市場の見通しを大きく変えるような政策が打ち出される見込みは大きくないだろう。

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