外務省が「バラエティ番組に進出」のナゼ

“異色の"霞が関官僚が考えたらこうなった!

一方で、東京都を放送対象地域としてネットワークに加盟していない独立テレビ局であるTOKYO MXなら電波料を抑えられる一方で、番組制作により多くの費用を投下できます。キャスティングや海外撮影費用におカネをかけられたことで、狙いどおりの「まじめで、でも面白い」というバランスがいい番組になったと自負しています。

関東地区だけでしか放送されないという点を補うため、TOKYO MX(テレビ放送)とニコニコ生放送(ネット配信)を組み合わせて全国で同時間帯に番組を見られるようにしたのも今回、初の試みでした。

「若い人に届ける」を真摯に考える

――ニコ生での番組配信だけでなく、今回の特別広報キャンペーンの一環として立ち上げた特設ウェブサイト『#Earth Action Studio Japan』や、作成協力をしたライフスタイル誌『BRUTUS』10月15日号「世界で生き抜く、いくつかの知恵」に関連した『BRUTUS放送局』内では、動画コンテンツが数多く見られます。

博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所の調査によると、10代の男女にとって「最も身近なメディア」はテレビではなく、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画サイトのようです。「若い人」を意識した広報活動なのでしょうか。

まさにターゲットは「若い人」です。今回の一連の広報活動ではこれまでのODAの広報では届いていないと思われる若い人に届けるための最も効果的な方法として、ニコ生での番組配信を組み合わせました。視聴する場所と時間が定められたテレビとは違い、ネットで配信した番組なら、スマートフォンなどで全国各地いつでも見てもらえます。

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『BRUTUS』で展開した紙面は、まさに若い人向け

『BRUTUS放送局』では、ベトナムの深刻な社会問題である交通渋滞の緩和を図る巨大プロジェクトの現場に行った箭内道彦さんの動画や、NPOを立ち上げフィリピンで活動する日本人にアナウンサーの平井理央さんが会いに行った動画を配信しています。

また、外務省が立ち上げた「世界一わかりやすい国際協力を紹介する」サイト『#Earth Action Studio Japan』の中では、通称はるちゃんというキャスターが、世界で活躍する日本人やODA60周年イベントなどについて紹介する動画コンテンツを見られるようになっています。

若い人にターゲットを絞ったのは、国際協力を続けるうえでの「危機感」も影響しています。少子化に加えて、留学などで海外に出て行く若い人が減っている状況は少し心配です。日本にいながらインターネットを通じて世界の情報を集めることができ、日本国内にある飲食店で世界各国の食を味わうことができます。だからなのか、実際現地に行きインターネット上では得られない情報を得ようと行動する人が減っている。日本で満ち足りていて、外国に対する関心が薄れているということでしょうか。

私自身も、仕事で数多くの海外に行って帰国すると、「快適な日本」を実感しますが、日本のものを売って、外国のものを買う、国と国との隔たりはどんどん小さくなり、世界の動きが日本に与える影響はますます大きくなっていて、外国との付き合いが広がるのは必然です。

次ページでは、テレビ番組は何のために?
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