(第41回)【インタビュー編】「顔の見える就職と採用」を掲げるパフ・釘崎社長に聞く「本当の就職活動」(2)

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●礼儀正しく振る舞えれば立派な大人

 「礼儀正しく」は、「約束を守る」「ドタキャンしない」ということだ。そうできるのが「立派な大人」というわけだ。
 就職戦線の厳しさが増す一方で、ドタキャン学生は増えている。焦ってセミナー予約をしまくる学生は、本命企業のセミナー予約が取れるとそちらに出席するが、その前に取っていたセミナー予約を取り消さない。そこで人事は「あんなに申し込みが殺到したのに、この欠席者の多さはなんだ!!」とかなり本気で怒っている。

 「ウソをつくな」「負けるな」「礼儀正しく」は就活だけでなく、これからの長い人生でも最も大事である。社会人として成功するには能力が必要だと思い込んでいる人がいるが、そうではない。正直で、何があっても前向きで、時間と約束を守る人が評価され成功する。
 採用において人事が求めているのはそのような人材だ。自分を飾り、すぐにめげ、自分がした約束を守れない学生は最も入社してほしくないタイプなのだ。

●入社することが目的ではない。どう働くかが大事

 学生のほとんどは働く意味を考えず、目先の「内定獲得」を目的としている。こういう視野狭窄の就活は本末転倒であり、そういう発想で面接に臨んでも就職できる可能性は低い。大事なのは就職した後にどう働くか、そして働くことを通じて、どう社会に貢献していくかだ。それが「うまれ“よ”」の「世のため人のため」の意味である。
 つまり重要なのは入社することではなく、入社してからなのだ。

 視野狭窄は、学生の大手志向にも現れている。職業に貴賤はなく、企業規模も関係ないのだが、学生の心の中に貴賤意識がある。大手志向、心の中の貴賤意識をなくして働くことの意味を考える。考えることによって成長する。就活の意義はそこにある。

●就活仲間を作って語り合うで成長する

 釘崎氏によれば、多くの学生が就職対策の第1ステップはクリアしている。何が第1ステップかというと、飲食店などでのアルバイトだ。
 お客さんがいて、学生を使う上司がいる。アルバイトとはいえ立派な職場。真剣に働いた経験が、またとない就職対策になっている。
 部活、サークル活動も役に立つ。自分たちの目標を設定してハードルを越えていったことのある学生ならその経験が就職対策になっている。
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