ケンタッキーに迫る敵、チキン戦争"冬の陣" かきいれ時のクリスマス商戦が近づく
コンビニで扱う一般的な加工食品の場合、粗利率は3割程度だがチキンのようなカウンターで販売する商品は粗利率が5割程度と高い。ファミリーマートに続いて13年10月にはローソンが「黄金チキン」を発売するなど、利益商材としてコンビニ各社が注力している。チキンをめぐる顧客争奪戦は外食企業だけのものではなく、コンビニも交えた近藤社長の言う「ボーダレスな戦い」になっている。
そうした中、三菱商事で生活産業グループCEO補佐を務めた近藤氏が、持株会社制の移行にあわせてケンタッキーの社長に就いたのが今年4月。社長交代会見の場でも「チキンといえばケンタッキーという状況になっていない」との認識を示していた。
実際、社長就任後にさまざまな改革に着手した。その一つが予約機能の拡充を図った今回のクリスマスキャンペーンで、もう一つが商品開発の体制変更だ。近藤社長は「今まで商品開発は、どちらかというと受け身の感じがあった」と話す。従来、市場動向を把握した上で、それに適応する商品を作る流れだったが、これからは「おいしいと思われる商品を自ら作り発信していく」(同)と意気込む。
ピザ屋の新業態店も拡大へ
今年9月からは、ケンタッキーとグループ会社の宅配ピザ専門店「ピザハット」の商品開発を近藤社長が直轄することになった。意思決定を迅速化や開発スピードのアップが狙いだ。ピザハットでは10月24日にイートインや持ち帰りに特化した新業態店「ピザハットExpress(エクスプレス)」を沖縄県うるま市でオープンさせた。当面は沖縄で店舗網を拡大する方針だが、将来的な全国展開も視野に入れている。
渡辺正夫前社長時代にもアルコールを提供する新業態店や、「鶏から亭」と銘打った同社初の持ち帰り専門店を展開したが、どれもテスト的な色合いが強く、在任期間中に本格的な出店拡大には至らなかった。渡辺前社長は今年1月の社長交代会見で、「より一層スピード感を持って業容拡大に取り組んでもらう」と語っていた。
社長直轄の商品開発体制で新商品が出てくるのはこれから。近藤社長が進める改革や新たな取り組みをどこまで本格展開につなげられるかが、今後を占う大きなポイントとなりそうだ。
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