ケンタッキーに迫る敵、チキン戦争"冬の陣" かきいれ時のクリスマス商戦が近づく
「今や過当競争。ボーダーレスの戦いが始まっている」――。日本KFCホールディングスの近藤正樹社長は10月23日に開いたクリスマス商戦の発表会で、足元の外食市場の動向についてこう述べた。
「ケンタッキー・フライドチキン」を展開する日本KFC(以下、ケンタッキー)は、今年で30年連続となるクリスマスキャンペーンに期間限定商品を発売する。店舗の売り上げが通常時の5~8倍に拡大するこのキャンペーンは、同社にとって最も重要な商戦期だ。昨年は5日間(12月21日~25日)で過去最高となる約66億円を売り上げた(昨年の直営店とフランチャイズ店の合計売上げは1076億円)。今年は事前予約に加えて、当日予約も受け付ける。同社としては初となるネット予約も始め、来年6月をメドに通常商品でも開始する予定だ。
既存店の売り上げは堅調
今期の業績はネットのオーダーシステムの投資負担が重く、連結営業利益は前期比約12%減の16億円の見通し。上期(14年4月~9月)の直営既存店は前年同期比2.9%増で着地しており、通年でも連結売上高は増収が見込まれる。ただし、昨年度の上期が直営既存店8.4%減と不振だったことから、前年超えのハードルは決して高くはなかったともいえる。
危機感を強めている近藤社長が特に意識しているのがコンビニエンスストアだ。「コンビニは全国に5.3万店あるが、われわれは1160店と圧倒的な差がある。商品開発力も上がっており、集客力も凄い」と話す。
実際、12年にはファミリーマートが「ファミマプレミアムチキン」を発売。ケンタッキーのオリジナルチキンが1ピース240円なのに対し、ファミマは190円(発売当初は170円)という価格設定で値頃感を打ち出した。その結果、一時は品薄になるほどの人気商品となり、昨年度、ファミマのフライドチキン系商品の販売は前年比2割増の2.6億本に拡大した。
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