タカタ、深刻化するエアバッグ問題の行方 リコール拡大なら苦境に 

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 10月28日、タカタ製エアバッグによる自動車のリコール(無償の回収・修理)問題で、同社への風当たりが米国で強まっている。都内で昨年4月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 28日 ロイター] - タカタ<7312.T>製エアバッグによる自動車のリコール(無償の回収・修理)問題で、同社への風当たりが米国で強まっている。議会が本格調査に乗り出し、訴訟にも発展。上院議員らは米全土へのリコール拡大も当局に要請しており、現実となれば追加費用が膨らむ。

タカタはエアバッグ世界2位で、自動車生産への影響はあまりに大きい。取引先の支援を受けて難局を乗り切ることも考えられるが、厳しい状況に追い込まれる可能性がある。

米国で社会問題化

タカタ製エアバッグの不具合に絡むリコールは2008年11月に始まり、対象台数は全世界ですでに1600万台を超える。

問題となっている部位は「インフレ―ター」と呼ばれるエアバッグを膨らませるガスの発生装置。車が衝突してエアバッグが作動した時に、異常な破裂が生じて金属片などが飛び散り、乗員がけがをするおそれがある。

ロイターの取材では、同エアバッグに関連した事故で、これまでに米国で計4人が死亡した可能性があり、複数の訴訟にも発展している。

事態を重く見た米運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)は今月22日までに、ホンダ<7267.T>など自動車メーカー10社が実施したリコールで対象となっている約780万台の所有者に対し、直ちに修理するよう呼びかける声明を発表した。

トヨタ自動車<7203.T>も20日、グアムなど新たに対象となる地域を増やし、約24万7000台を再リコールすると発表した。

NHTSAは現在、エアバッグの不具合が起きやすい環境としてフロリダなど高温多湿の地域で原因究明のための調査リコールを行っている。米民主党・上院議員3人は23日、同エアバッグを装備した米全土の自動車をリコールするよう当局に要請。関係者によると、米下院エネルギー・商業委員会も今週、当局と非公式の協議を行う見通しだ。  

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