「トルココーヒー」は断ってはいけない!? 現代に生きる、イスラムの「もてなし」心

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――近代化のひとつとしてイスラム圏なのに、土日が休みなのですよね。

そうです。ほかの国が土日休みなので、トルコもそうしたほうが効率的ということで合わせました。近代化する社会に適応しているのです。この10年、急激に成長していますが、それはトルコのビジネスのスピードも関係しています。

トルコは日本と比べると決断を早く出します。結果をすぐに出したいのです。とてもアクティブでリスクを取ります。ですから、トルコ人は世界中に出て行きビジネスを行っています。日本にはまだ少ないので、もっと入って来てほしいですね。

政府は今、2023年ビジョンを掲げて進めています。2023年にトルコは建国100周年になります。このビジョンでは経済・エネルギー・外交・インフラ・観光・医療など、それぞれの分野に目標が設定されており、今、トルコは経済で世界16位ですが、2023年までには10位に入ることを目標にしています。それは机上の空論ではなく、実際に目標値以上の成長をしているので、これから10年の成長が楽しみです。

ビジネス環境もよく、ローカルパートナーがいなくても、1週間で起業することができるのです。とてもインセンティブも多く、土地の提供や税金の免除などがあります。今、土地の価格なども値上がりする一方なので、EUの人々は投資として家を買っていますよ。アランヤなどではたくさんのドイツ人が投資として家を購入したり、ロシア人やイギリス人がよく買う地域もあります。

トルコからは飛行機で3時間以内に行ける国が55カ国もあり、その多くの国と貿易協定を結んでいますので、トルコに拠点を持てばそれらの国に輸出できます。たとえば、コスメティックや食などでハラルのものを生産すれば、中東の国々に輸出できるのです。ハラルのマーケットは巨大ですよ。

日本とトルコとの関係も深いので、もっと日本とのビジネスも増やしたいです。トルコと日本の関係を言えば、エルトゥールル号遭難なしには語れませんね。

――1890年に和歌山県串本町沖で座礁したトルコのエルトゥールル号の乗組員を日本人が救助した話ですね。そして1985年のイラン・イラク戦争でテヘラン空爆の際、取り残された日本人のためにトルコの皆さんが「今こそ、エルトゥールル号の恩を返す時」と言って、トルコ人がまだテヘランにいるにもかかわらず、日本人を脱出させたのですよね。100年近くも恩を覚えていて、日本人を優先させたことにトルコの皆さんは非難しなかったとか。

今年は日本・トルコ両国の国交樹立90周年、とても大切な年です。旅行者の数は年々増えていて、年間200万人を超えました。ビジネスにおいてはもっとポテンシャルがあると思いますので、ぜひトルコへの進出を検討してください。

商務部は多くの情報を持っていますので、まずはご連絡ください。ビジネストリップのアレンジ、ミーティングをセッティングしたりもしています。トルコ内の移動など、さまざまなネットワークがありますので、とても役に立ちます。日本語での対応もできますよ。お茶を用意してお待ちしていますので、お気軽にお越しください。

(撮影:ヒダキトモコ)
 

竹村 真紀子 IWCJ代表

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たけむら まきこ / Makiko Takemura

一般財団法人International Women's Club JAPAN(IWCJ)代表理事
International Women's Club ASIA(IWCA)事務局長。日韓中を中心にグローバルマインドをもつ家族で構成される俱楽部を運営し、アジア圏でのビジネスマッチングを推進するとともに、次世代がアジア人としてグローバルに活躍できるよう、30カ国以上の駐日大使館の協力を得て、子ども向けにリトルアンバサダー・プログラムを開催。国際機関で海外人向けの「日本のビジネスマナー」研修を担当。
 

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