――くびれがあるグラスですね。
はい。日本ではあまりお茶を飲みながら雑談をすることはありませんが、トルコではオフィスでも5~10分、同僚や上司とお茶を飲んでリラックスしたムードで話をすることがあります。それに友人が来て話をすることなどもあります。日本ではオフィスに友人が来るようなことはあまりないですよね。
――友人が来てお茶を飲んで雑談していたら「早く仕事に戻れ」と言われそうですね。
それだけトルコはゲストが好きなのです。これから何も用がなくても、ぜひオフィスにお茶を飲みに来てくださいね。お茶だけでなく、トルココーヒーも有名ですよ。小さいカップで濃いコーヒーです。
トルココーヒーには特別な意味があることは知っておいたほうがいいですね。トルココーヒーはお茶ほど頻繁に飲まず、特別な人が来たときに出すものです。「1杯のコーヒーが40年記憶に残る」という言葉があるほどで、とても大切にしています。
ビジネスを始めて最初はお茶です、でも本当に信頼できてこの人との関係を大切にしたいと思ったら、「トルココーヒーを飲みますか?」と聞き、トルココーヒーを出すのです。お茶のときは「お茶を飲みますか?」などとは聞かずに自然に出しますが、トルココーヒーのときは必ず「トルココーヒーを飲みますか?」と聞いてから出します。それがお互いの信頼関係を意味し、特別な人ということです。
トルコにはいろいろなコーヒーがありますので、普通のコーヒーには意味はありません。トルココーヒーの場合のみです。
――トルココーヒーを勧められたら、その人とのビジネスは表面的なものから信頼関係になったと考えていいですか?
はい、そうです。
――では、断ってはいけませんね。
もちろんアレルギーがあったり、カフェインが苦手であれば断ってもいいですが、できれば喜んで受けたほうがいいですね。
「隣人を助けるのは当然」というイスラムの教え
それ以外に食事も大切です。夕食やランチを一緒にリラックスしながら食べて、そこからビジネスの話をしたりします。そのときは割り勘はせず、誰かひとりが全員分出します。誰かから誘われた場合は、その人が支払うと思ってください。「自分が払います」と言うのは失礼になります。
――同僚同士でもですか?
はい。同僚でも、上司でも関係なく誰かが払います。時々「私が払います」「いやいや私が」と言い合いになることもありますよ。昔と比べて今はたまに割り勘のときもありますが、基本的には今もひとりがみんなの分を払いますね。
トルコ人は人のために何かすることが当たり前と考えています。特に人が困っているときは助けるのが当たり前、親族、隣人、同僚、誰でもです。困っているとき以外でも、たとえば旅行に行ったらお土産を買って来たりします。それはイスラムの教えからきているのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら