「ガラパゴス」に託したシャープ、変革への野心

「ガラパゴス」に託したシャープ、変革への野心

製造業から脱却へ--。シャープは9月27日、12月初旬にも電子書籍などが読める多機能端末「ガラパゴス」を発売、併せて自社運営の電子書籍配信サービスを開始すると発表した。

「日本製品の先行きに多くが悲観的になっているが、そこへのアンチテーゼの意味を込めた」と、片山幹雄社長は「ガラパゴス」命名の狙いを語る。開発に当たっては携帯電話や電子辞書部門などから人員を集めて社長直轄の特別部を結成。開発には約2年もの期間を費やした。

最大の特徴は新聞や雑誌など日本語コンテンツを充実するだけでなく、定期購読を配信の軸に据えた点にある。当初は新聞や経済誌などを配信、ビジネスピープルを中心に利用者を広げる考えだ。

電子書籍端末では米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」などが先行するほか、年内にはソニーが「リーダー」を投入する計画で、競争激化が見込まれる。ただ競合の多くは利用者が書籍などを購入するごとに課金するモデルを採用。「ガラパゴス」は「定期購読を前提に端末価格を割り引くといった、携帯電話のような事業モデルにも含みを持たせている」(電子書籍に詳しいジャーナリストの西田宗千佳氏)点で、他社と差別化を図れる可能性がある。

もっともシャープが目指すのは自社端末の普及にとどまらない。片山社長は「電子書籍を皮切りに、今後はハードとサービスが融合したビジネスを会社の軸にしたい」と話す。背景にあるのは過去の苦々しい経験だ。液晶テレビも太陽電池も同社が事業化の先鞭をつけたものの、いずれも後発組との競争の波にのまれてシェアを落としてきた。

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