間違いだらけ! 消費増税議論のナゾを解く 「軽減税率は弱者保護になる」も大誤解?
「公務員の身を切る改革を!」と言うけれど……
今年4月に8%に引き上げられたばかりの消費税ですが、今度は10%に引き上げるべきとの議論が本格化しています。年内にも安倍総理が最終判断する方針とも報道されていますが、そもそも今、本当に消費税を上げなければならないのか? この記事では、基本のところから整理して考えてみたいと思います。
消費増税の背景には、高齢社会の進展によって毎年、1兆~1.5兆円規模で増える社会保障費があります。現在、社会保障費(医療・介護・年金ほか)は総額約100兆円で、その6割が保険料で賄われていますが、4割は税金(政府+自治体)負担です。10年間で、約10兆~15兆円分もの自然増になります。ちなみに、これは消費税6~7%分に相当します。
さらに、日本の場合、公務員が人口に比べて特別多いわけではありません。国と地方の全公務員(教員・警察・消防・自衛隊含む)を20%削減(報酬カット、もしくは定数削減)したとしても5.4兆円。増大する社会保障費の、4~5年分相当にしかなりません。しかも効果は一時的で、永続できません。「まず、身を切る改革を!」はただのパフォーマンスにすぎないのです。
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