一流人も実践「コミュ力を高める」たった1つの事 松下幸之助、盛田昭夫も「話を聞く人」だった

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今もなお精力的に取材を行うジャーナリストの田原総一朗氏が実践するコミュニケーション術とは……(撮影:坂本禎久)
取引先との盛り上がらない商談、同僚との疲れる会話……。会話やコミュニケーションがうまくいかず、ストレスを抱える人は多いでしょう。「そんなコミュニケーションの悩みを解決する方法がある」と言うのが、ジャーナリストの田原総一朗氏です。
田原氏は多くの政治家や起業家、専門家らと接するなかで、コミュニケーションにおいて大事なことを学んだと言います。それはいったい? 氏の新刊『コミュニケーションは正直が9割』をもとに、3回にわたって解説します。今回は1回目です。

多くの人がコミュニケーションを、単なる会話としか考えていないのではないでしょうか。コミュニケーションは、もちろん会話が必要です。でもその前に、もっと大事なことがあります。

それは、相手に対する向き合い方、スタンスです。どういう目線で、どういう立場で相手と向き合うかで、相手の見え方が変わってきます。自ずと会話の中身が変わってくるでしょう。

陳情に来たすべての人の話を聞いた田中角栄

たとえば、元首相の田中角栄さんは官僚の名前、誕生日、出身地まですべて頭に入っていたといいます。驚くべきは田中さんの頭脳ではなく、彼の官僚たちに対する向き合い方であり、スタンスでしょう。

田中さんは陳情に来た人すべての話を聞き、帰るときには玄関まで見送りに出たそうです。あるとき、地元新潟のおばあちゃんが1人でやって来ました。そのときも話を聞いた後、見送りに出ました。秘書の早坂茂三さんがその姿を見て、「おばあちゃんの見送りぐらい秘書がやるから、オヤジはそのぶんの時間をほかに回してくれ」と言うと、田中さんが一喝したというんですね。

「あのおばあちゃんは、地元に帰って『角栄が自分のためにわざわざ見送りに出た』と、近所の人たちに吹聴するだろう。俺の代わりに票を集めてくれるんだ。政治家にとって、それがどれだけ大事なことかわからないのか!」

早坂さんは目からうろこが落ちると同時に、田中さんの凄さを再認識したそうです。

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