半身不随に絶望した男が障害者の為に起業した訳 リハビリ後の社会復帰で知った障害者雇用の過酷

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トップセールスマンから一転、脳出血で右半身マヒになった増本裕司氏。社会から抜け落とされている障害者のための事業を展開している(撮影:梅谷秀司)
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営業マンとしての成績はつねにトップクラスで、誰もが知っている某IT企業の営業企画部でバリバリ働いていた36歳のある日、脳出血で倒れて何とか一命を取り留めたものの右半身にマヒが残り、当時は人生が終わってしまったと感じた男性がいる。現在、その男性は障害者が自立するための会社、アクティベートラボ(東京都新宿区)という会社を立ち上げ、日々障害者の人がQOLを向上できるよう努めている。彼の名は増本裕司氏(48歳)。どのような経緯やきっかけがあって起業したのか。

就業先のミッドタウンで倒れて生死をさまよう

増本さんは右半身にマヒがあって動かないため、名刺交換の際は左手で「片手で失礼します」と言われたが、そのほかはほぼ違和感がなく普通に歩けて普通にしゃべれていた。ちなみに利き手は右手だが、右半身が動かなくなってしまったので利き手交換という訓練をして、現在は左手で文字を書いたり食事をしたり、車の運転も左手でハンドルを操作し、車を改造して左足でアクセルを踏めるようにしているという。

「就業先の六本木のミッドタウンで倒れたのですが、そこから病院に運ばれ、医師からは48時間以内に出血範囲が広がったら、おそらく脳死状態になる可能性が高いだろうと言われて、実家の両親も長崎から飛んできてある程度の覚悟を決めていたほどです。しかし、2週間の意識不明から奇跡的に目覚めました。

でも、しゃべろうとしてもあーとかうーとかしか出てこない。看護師さんに『奥さんの名前言えますか?』と聞かれ、うちの妻はノリコと言うのですが、なぜか『ルミちゃん』と答えてしまい、周りからは浮気を疑われたという(笑)。ルミというのは姉の名前なんです。高次脳機能障害が残ってしまったため、妻のノリコという名前がわかっているのに混乱して姉の名を言ってしまって」

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