【産業天気図・損害保険】若者の車離れなどで環境厳しく終始「雨」、3メガ体制で海外・生保を競う展開

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予想天気
10年10月~11年3月 11年4月~9月

 損害保険業界は、2011年9月まで1年間終始「雨」の厳しい景況感が予想される。収益源の国内自動車保険は市場がしぼむ一方。各社の業績回復は、海外事業や生命保険の強化などの展開いかんといえそうだ。

主戦場である国内の自動車保険市場は、年々縮小傾向にある。少子高齢化の中で若者の車離れ、高齢者の事故率アップによる損害率の上昇という逆風も吹き始めている。その中でネット系などダイレクト損保は保険料の安さを安さを売り物に、その存在感を増してきた。だが、大手損保グループも含めて、損害率の上昇をそのまま価格(保険料)に転嫁させることは、客離れにつながる可能性があり、容易にはできない。

また、火災保険も住宅着工件数の低迷と連動し低調。リーマンショック以降に落ち込んでいた海上保険がようやく底を打ったものの、回復スピードは鈍い。

業界大手は事業費の削減や、システム投資の抑制を目指し、経営統合による改革に取り組んでいる。損保業界ではこの4月から3メガ体制がスタート。三井住友海上火災とあいおい損保、ニッセイ同和損保が経営統合して、持株会社のMS&ADインシュアランスグループホールディンクス(以下MASD)に、さらに10月にあいおい損保とニッセイ同和が合併して、あいおいニッセイ同和損保となった。損保ジャパンと日本興亜損保は経営統合し、持株会社のNKSJホールディングス(以下NKSJ)を設立。今後も合併はせず「1プラットホーム、2ブランド」体制でグループ経営をしていく。

東京海上日動火災を中心とする東京海上ホールディングスはこれまで業界トップグループとして君臨していたが、今回の再編で正味収入保険料ベースなどでMSADに抜かれることになった。この3メガで業界シェアは実に約90%を占める。損保業界はこの3グループを抜きには語れない。代理店再編やシステム改革では、東京海上グループが一歩リードしている感があるが、MSADやNKSJグループは、ここ2~3年でシステム統合を終える計画にあり、3メガ間の競争は今後、第二ステージへと入ってこよう。

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