例えば髪の毛を伸ばし、化粧をし、マニキュアを塗ってハイヒールを履く。女性というだけで行ってきたこんな行為をしない。男性たちは顔を洗ってスーツだけを来て出勤しても許されるのに、なぜ女性だけが朝はいち早く起きてかわいらしく化粧をし、スカートをまとって5センチ以上のハイヒールを履かなければいけないのか。このことに、女性たちは「負担を感じる」と声を上げた。
抗議の意味を込めて、ヘアスタイルをショートカットにしてスマホで写真をネットに上げる女性もいた。女性に対する固定的な社会的認識を変えるという行動は高く評価された。
男性に対抗する「メガリア」の影響力
女性たちのこうした動きのおかげで、男性中心社会が少しずつ変化するという肯定的な評価も多いが、問題も多い。
韓国的なフェミニズム運動は「メガリア(Megalia)」というインターネットサイトを中心に繰り広げられてきたが、このサイトを中心とする行動があまりにも行きすぎるという批判が起きているのだ。
「メガリア」は、「MERS」(中東呼吸器症候群)が流行時、MERSのコミュニティサイトで女性を卑下する議論が生じ、これに憤った女性たちが逆に男性を批判する運動の中心となったサイトだ。女性たちはノルウェーの女性主義小説である『イガリアの娘たち』から「MERS」と「イガリア」を合わせて「メガリア」と表現した。
メガリアでは、「女性嫌悪に反撃する」とし、「ミラーリング」と銘打って男性が女性を卑下する言葉などをそのまま男性に当てはめることも行われている。「男性も女性と同じ思いを味わえ」という意図だった。
例えば、韓国で女性を卑下する表現として「キムチ女」というのがある。キムチ女とは、男性の金を好み、男性を経済面で評価し、男性を利用しようとする女性のことを指すが、これを「キムチ男」と男性に対して表現するようなことだ。
しかし、行きすぎたミラーリングは男性嫌悪だけでなく、性的少数者まで嘲弄することになり、社会的問題となる。それゆえメガリアに対する批判が生じ、結局、2017年にサイトは閉鎖された。
しかし、メガリアを利用していた人たちは「WOMAD(ウォマド)」と呼ばれる極端な女性フェミニズムサイトを開設して活動するなど、「韓国だけのフェミニズム」が多様なやり方で発展。女性の中にはハイヒールを履いたり、ネイルをしている女性を攻撃する動きも出ているなど複雑だ。
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