日本人技術者の給料がアメリカにボロ負けする訳 トップ級は年収1億円超、巨大ITの収益力支える

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ただし、注意すべきは、以上で述べた年収の中には、ストックオプションが含まれていることだ。

そして、その比率が高い。例えば上で述べたアマゾンの場合、基本給は16.2万ドルだ。最初に述べたアマゾンが年収上限を4000万円にしたというのは、基本給に関するものである。

したがって2倍以上の引き上げということになる。

ずいぶん思い切った決定のように思えるが、実はそうでもない。

グーグルの場合には、基本給が33万ドルでストックオプションが58万ドルになっているのだ。そしてボーナスが12.3万ドルだ。

33万ドルを円に換算すれば、3762万円になるから、アマゾンがそれに対抗して、基本給の上限を4000万円にしたというのは、うなずける話だ。

われわれ日本人にすると、雲の上の巨人たちの闘いとしか思えないのだが……。

ところで、アメリカの経営者の収入は非常に高額だ。

経営者の年俸が高いのは、アメリカに限ったことではない。日本でも、アメリカほどではないが高い。ゴーン日産会長の年収が極めて高額だったことはよく知られている。

アメリカの特徴は、経営者だけでなく、技術者など高度専門家の給与が高いことにもある。

平均給与で見ても2000万円を超える産業群

以上は、時代の脚光を浴びている企業の、しかも、特別に所得が高い人たちである。だから、ごく一部の人だけのことだと思われるかもしれない。

しかし、アメリカでは、高度専門家の所得が一般に高い。

アメリカ商務省のデータで見ると、「情報データ処理サービス」部門の2020年の平均給与は18.4万ドル(2100万円)だ。

平均給与が高い部門は、これだけではない。例えば、「証券、商品、投資」は25.4万ドル、「出版(ソフトウェアを含む)」は18.5万ドルだ。これらも、高度な専門家が活躍している分野だ。

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