東京の婚姻率は2000年以降ずっと1位
勘違いしてはいけないのは、これは一人暮らしの未婚者だけではなく親元に住む未婚者も含まれています。また、そこに45~54歳のファミリー世帯の居住割合が多ければそれだけ下がることになります。ファミリーの多い江戸川区などが男女共通して未婚率が低いのはそのためです。
また、「生涯未婚率の高い区に住むと結婚できない」などの因果もありません。『20代独身の若者たちが東京に集まり続ける理由』の記事でもご紹介したように、東京は未婚率も高いと同時に婚姻率も高いエリアです。東京の婚姻率は2000年以降ずっと全国1位でもあります。東京では結婚できないどころか、東京こそ日本で一番結婚しやすいところといえます。
では、なぜ、生涯未婚率も高くなるのか、といえば、ひとつには「地方と比べて、結婚に対するプレッシャーが小さく、周りも未婚が多いため肩身が狭くない」という面もあるでしょう。しかし、それだけではありません。結婚する人としない人との特に本人の経済環境における影響が大きいからです。そしてそれは、男女で正反対の傾向があります。
生涯未婚率は本人の年収と深く関係します。男性の生涯未婚率は年収が低いほど高く、年収が高いほど低くなりますが、女性の場合は逆で、年収が低いほど低く、高いほど未婚率が高くなります。全国的にもそうですが、東京ではより顕著です。
2017年就業構造基本調査より、東京の有業者のみ抽出して計算すると、個人年収400万円未満の男性の生涯未婚率は35%以上になりますが、同時に、400万円以上の女性の生涯未婚率も35%以上になります。年収400万円を分岐点として、男女で平均を大きく上回る未婚率に振り分けられています。
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