「公園遊び」が得意だった人は課題解決がうまい 齋藤太郎×尾原和啓のクリエイティブ対談1

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ビジネスにおける課題解決とクリエイティビティーとはどのようなものなのか。どのようにして身につけられるのか。齋藤氏、尾原氏が語る(齋藤氏撮影:梅谷秀司、尾原氏撮影:干川修)
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ビジネスにおける課題解決にはクリエイティビティーが欠かせない。変化のスピードが速く、これまで有効だった解決策の前例を踏襲してもうまくいかない、今のような時代はとくにそうだ。ではビジネスのクリエイティビティーとはどのようなものなのか。どのようにして身につけられるのか。マッキンゼーや楽天など10数社で働き、IT批評家としても活躍する尾原和啓氏と、サントリーの角ハイボールやポケトークの仕掛け人として有名なクリエイティブディレクター齋藤太郎氏に、齋藤氏の初著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』の発売を記念して、特別対談として両者が考えるビジネスの課題解決とクリエイティブについて語ってもらった。

尾原:『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』というタイトルを最初に聞いたとき、『ノンデザイナーズ・デザインブック』(マイナビ出版)みたいな「デザイナーじゃない人も、この原理原則を守ればきれいなデザインがつくれますよ」という広告表現の本かと思いました。でも読んでみたら表現のクリエイティブではなく、ビジネスのクリエイティブについて書かれた本だった。ユーザーに響く斬新な表現を生み出すための本ではなく、クライアント企業にすら見えていない、本質的な課題を解決するための本だった。

『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

齋藤:そうなんですよ。

尾原:僕は4年くらい前に太郎さんと会って、それ以来、サントリーの「角ハイボール」とか、ソースネクストの「ポケトーク」など太郎さんの仕事を横で見ていたけど、この本を読んで初めて、太郎さんがしていることがこんなに緻密で、しかもすごく地道な世界なんだと知って驚きました。本にまとめるのも大変だったと思うんですけど、普段からここまで言語化できていたんですか?

齋藤:まったくできてなかったです(笑)。やっぱり本を書くとなると、思考とか言葉の在庫をかき集めなければいけなかったから、そこが大変でした。

電通のクリエイティブ職と「非クリ」職

齋藤:僕は電通にいたけれど、20年前は営業とかメディアの仕事をする人間でした。電通では広告をつくるクリエイティブの仕事と、それ以外の仕事がはっきり分かれているんですよ。クリエイティブの局は人気の部署なので、そこに行くには新入社員が全員受ける適性検査に合格しないといけない。だからクリエイティブって、宮崎駿とか小津安二郎とか黒澤明みたいな、特殊な人だけがやれることで、自分には関係ないと思ってました。

尾原:そうですね。クリエイティブのテストというと、サイエンスというよりもアート寄りの先天的なセンスを試されて、「ああ、自分はだめだ」と思ってしまいがちですよね。

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