SUBARUと三菱「電動化」で目指す方向の決定的な差 東京オートサロンで発表されたEV2台の可能性

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リアハッチには、EVのエンブレムが装着される(筆者撮影)

いずれにしろ、軽自動車は、国内の約4割を占めるといわれるほど近年の日本ではポピュラーなクルマとなっている。手頃な価格や誰にでも運転しやすい小回りのよさ、小柄な車体でも快適な乗り心地などが市場に支持されている要因。そして、それらキャラクターはBEVであっても同じであるべきだと思う。三菱と日産の新型にも、軽自動車の魅力を保持しつつ、環境にも優しいクルマであることを期待したい。

スバルのレーシングカー「STI E-RAコンセプト」

スバルが参考出品していたSTI E-RAコンセプト(筆者撮影)

一方、スバルのブースに展示された「STI E-RAコンセプト」。こちらは、市販車ではなく、将来のモータースポーツ向け車両を見据えたコンセプトカーだ。ただし、スバルの場合は、従来からWRC(世界ラリー選手権)や海外の耐久レースなどに出場することでマシン開発を行い、その技術をフィードバックした数多くの人気モデルを擁する。「BRZ」や「WRX」といった世界唯一の水平対向エンジンを搭載したスポーツカーなどがそれで、世界中に「スバリスト」と呼ばれる多くのファンを持つゆえんだ。

STI E-RAコンセプトのリアビュー(筆者撮影)

市販車であっても、モータースポーツ発祥であることが「スバルらしさ」の証し。そんなスバルの個性をBEVでも実現しようと開発中なのが、STI E-RAコンセプトだ。開発を進めているのは、スバル傘下でモータースポーツ活動やスポーツ系パーツなどを手がけるSTI(スバルテクニカインターナショナル)。モータースポーツの世界で新しい技術の経験と修練を積み、将来的に同社BEV市販車へのフィードバックを目指す。

車名にあるE-RAは、英語の「NEW ERA(新時代)」が由来の造語だ。新しい時代の電動車といった意味が込められている。低く流れるような流麗なボディは、まさにスーパーカーのような出で立ち。フロントバンパーにはカナード、車体後部には大型のウイングといった空力パーツを備え、アグレッシブなフォルムを実現する。

あくまで参考出品という話だったが、大型のブレーキシステムもしっかりと装着されている(筆者撮影)

パワートレインとなる駆動用モーターは、4輪それぞれに搭載する、いわゆるAWD(4輪駆動)車だ。スバルは、従来から独自のAWDシステムにより、オンロードはもちろん、荒れたオフロードでも優れた走行性能を実現するクルマを作ることが得意なメーカーだ。BEVのスポーツカー領域でも、4輪それぞれのモーターを制御する技術を蓄積することで、得意分野であるAWD技術の進歩はもちろん、最終的には自社の個性を生かすことを目的とする。ちなみに各モーターには、ヤマハ製を採用するが、出力などのスペックは未公表だ。最高速度は320km/hに達するというから、かなりの高出力モーターを搭載することがうかがえる。なお、そうした超高速走行時に、車体が浮き上がるのを防ぐため、フロントフェンダーにはダクトのような穴を設けるなど、細部に工夫もなされている。

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