SUBARUと三菱「電動化」で目指す方向の決定的な差 東京オートサロンで発表されたEV2台の可能性

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リアフェンダー上部に設置された充電コネクタ(筆者撮影)

ekクロスとの相違点は、ほかにも車体後方、リアフェンダーの上にバッテリーの充電コネクタを差し込むコンセントが装備されていることだ。フューエルリッドのようなフタを開くと、上下2つのコンセントが現れる方式で、上が普通充電用、下側が急速充電用だ。急速充電用コンセントは、国内でもっとも普及するチャデモ規格のコネクタに対応する。チャデモ規格を使った急速充電器は、近年、高速道路のPA/SAやショッピングセンター、道の駅など、国内のさまざまな場所に設置されているため、そうした施設さえあれば、ユーザーは出先での充電が可能となる。

実際の走行性能や1充電当たりの後続距離なども明らかにされていない。とくに軽自動車のEVでは、車体が小柄なため大型バッテリーが搭載できず、航続距離をあまり長くできないといった課題がある。三菱と日産は、同モデルに「総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載し、日常での走行に十分な容量を確保する」という。ちなみに、コンパクトカーのBEV、日産「リーフ」の40kWhバッテリー搭載車では、1充電当たりの走行距離は322km(WLTCモード)だ。片道100~150km程度の日帰りドライブなら、出先で充電せずに往復できる航続距離を持つ。新型の軽BEVが搭載を予定するバッテリーは容量がその半分だ。単純にバッテリー容量だけでは測れないが、もし航続距離が300kmを超えないのであれば、使い方としては市街地走行が主となることも考えられる。

スライドドアではなく、一般的な4ドアを採用した意図

近年の軽自動車市場は、当モデルのような軽ハイトワゴンよりも、全長が1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンのほうが人気だ。7年連続で軽四輪車の新車販売台数1位を記録したホンダ「N-BOX」を筆頭に、スズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」などが販売台数の上位を占める。また、日産も前述のルークス、三菱もその兄弟車であるekスペース/ekクロススペースといった軽スーパーハイトワゴンを擁し、デイズなどの軽ハイトワゴンよりも売れている。

人気の要因には、後席側にスライドドアを装備することも大きい。同ジャンルのメインユーザーである子育て世代などのファミリー層にとって、小さな子どもが乗り降りしやすく、後席に乗せた場合に世話もしやすい。また、荷物の積み下ろしが楽といったメリットがある。

ところが新型の軽BEVは、後部が外側に開く一般的な4枚ドアタイプだ。その点について三菱の担当者に聞いたところ、「構造上スライドドアは重くなる」ことがBEVではデメリットになるという。スライドドアは、スライドさせるためのレールやブラケットなどの部品が必要で、またスライド時のぐらつきなどを防ぐためにある程度の剛性も不可欠だ。

次ページ具体的な価格は非公開ながら200万円程度の見込み
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