「GRMNヤリス」筑波で乗ってわかった強烈な実力 731万円超、限定500台の最高峰はまるでレースカー

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「GR」の頂点に立つモデルの走りとは?(写真:トヨタ自動車)

1月14~16日に有観客で開催された「東京オートサロン2022」の出展車両で、もっとも話題を呼んだものと言えば、やはりGRMNヤリスだろう。GRMNとはトヨタ・ガズー・レーシング(TOYOTA GAZOO Racing)が手がけるスポーツカーシリーズ「GR」の頂点に立つ数量限定モデルの総称だ。

トヨタのスポーツカーブランドであるGRのブースでお披露目されたこのクルマは500台の限定販売で、価格は731万7000~846万7000円。ベースとなったGRヤリスの最上級モデルが456万円だから、ほとんど倍近いと言ってもいいわけで、驚かれるのも無理はない。さて、この価格の根拠は一体どこにあるのだろうか?

GRヤリスにスポット溶接545カ所を加えてボディ補強

いちばんに挙げるべきは徹底的なボディ補強だ。ノーマルのGRヤリスに対して、スポット溶接は実に545カ所追加され、構造用接着剤の塗布長は12mも伸ばされているのである。

その数字だけでは何が何だか……というところかもしれないが、GRヤリスについては素のヤリスに対してスポット溶接が約200カ所増やされ、構造用接着剤の使用箇所は11m延長されていると謳われていると言えば、唖然としないだろうか。要するにヤリスとGRヤリスの差以上に手間がかけられ、剛性が高められているのだ。

これらの作業は車体が塗装される前にしか行うことはできない。つまりメーカー謹製ならではのチューニングと言える。いや、普通はメーカーでだってそう簡単にできることではない。通常のラインで組み立てられるクルマでは、1工程辺りの作業量が大幅に増加してしまうからだ。

そんな不可能を可能にしたのがGR車専用工場のGRファクトリーである。ベルトコンベア式のラインを持たず、少量生産にフレキシブルに対応するこの工場あってこそ、こうしたスペシャル仕様が500台も用意できたと言えるだろう。

ボディ補強の目的はズバリ、ハイグリップタイヤに負けない車体とすることだ。GRMNヤリスの“Circuit package”が履くのはヨコハマタイヤのADVAN A052という、いわゆる“Sタイヤ”。まさにスポーツ性能を最優先として、耐摩耗性や乗り心地などは二の次とした存在である。タイヤのグリップが増せば当然、車体への入力は大きくなる。それに対してヨレないボディは速さ、そしてハイレベルな操縦性の確保には必須なのだ。

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