「大人数で祝ったほうが思い出になるし、祝われる人もうれしい」「地元の友達に都会で遊んでいるということを見せたくて、SNSにもアップした」と語るC君。
ほかにもツイッターで検索して、ロンドンバスパーティをやっている人たちの書き込みを多数見掛けたが、参加者たちは一様にハイテンションだ。歩いている人に携帯で写真を取られたりして、優越感を感じているのかもしれない。
リムジン会は一昔前からあったが、しかし最近、特に増えているように感じる。近頃では、私たち若者世代の間では、よりレア感のロンドンバスという選択をする若者も増えている。
「優越感に浸りたい」「リッチ感を味わいたい」という動機に加え、若者ならではの「騒ぎたい、はしゃぎたい」というニーズを満たすことができるのは、車内が広いロンドンバスだったりする。
次も、ロンドンバスパーティに参加したDさん。
彼女はサークルの先輩の卒業記念のため、仲間とパーティを行った。「男女で盛り上がるのにはリムジンでなくロンドンバス」だと思ったそうだ。「都内のイルミネーションや東京タワーを回ってみて楽しんだ」「バブリーな体験ができた」「SNSにアップして、それの反響がとても大きかった」と本人は満足気だ。
大学サークルのムードメーカー的存在であるE君。彼が企画したのはクルージングパーティ。ドライブ中にレインボーブリッジを通っているとき、橋の下に見えた屋形船を見て、すぐにサークルのLINEに書き込んだそうだ。
選択したのは、1人当たり5500円で120分のコース。当日、男子はスーツ、女子はドレスをドレスコードとし、お弁当を食べたり酒を飲んだりして盛り上がったという。
夕方5時から7時までのクルージングのため、太陽が沈む前と後の表情、さらにレインボーブリッジの装飾も楽しめ、参加者たちはとても満足したようだ。
バブル“遺伝子”を引き継いだ「バブルキッズ」?
さて、ここまで若者の「バブルパーティ事情」をお伝えしてきた。
いったいなぜ、消費・行動意欲が低いと言われる、いわゆる「さとり世代」の若者たちが派手なパーティにいそしんでいるのか。目立ちたいから、普通ではもうつまらないから、新しいことをやってみたかったからなど、理由はさまざま挙げられるが、私たちが今回5人を調査して考えた仮説は3つ。
まず第1に、親からぜいたくして遊びたいニーズが継承されているのでは、ということである。
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