相模鉄道、悲願の東京乗り入れ 懸案は横浜駅の地盤低下
施設老朽化が進む西口 潜在力をどう生かすか
かつては多くの横浜の住民にとって、ショッピングとは「西口に行く」ことだった。だが近年は、横浜駅の南東方向に広がる、みなとみらい地区に商業施設が相次いで開業。郊外にも、ららぽーと横浜をはじめ、大型のショッピングセンターが続々オープンしている。それに対し、横浜駅周辺、特に西口地区は新しいビルが少なく、街全体の老朽化が目につく。
客層の高齢化も進んでいる。高島屋横浜店の顧客の中心は50~60代。「横浜店の年齢層が上がり、東京店にかなり近づいてきた。一人のお客様の一生を追いかけるとともに、新しい人を取り込んでいきたい」と山田周二・高島屋横浜店副店長は話す。
73年開業のジョイナスも客層の年齢が上昇。そこで02年から大幅なリニューアルを実施、地下を除き昨年完了した。ジョイナスを運営する相鉄アーバンクリエイツの稲本信也社長は、「リニューアル前は40~50代がメインだったが、25~35歳前後をターゲットに変えた」と言う。
地下街のザ・ダイヤモンドで最も集客力のあるのが、書店の有隣堂横浜駅西口店。全国の書店の中でも指折りの坪効率を誇る。とはいえ、「客数も売り上げも減少傾向が続いている」(松信健太郎・店売事業部部長)。ザ・ダイヤモンドは64年の開業以来、本格的なリニューアルを行っていない。開業時からの店舗が多く、全体の陳腐化は否めない。
地下街全体の売上高ピークは91年度。現在は当時の6割程度に落ち込んでいる。地上にバスターミナルがあり、接続するビルも多く、1日の通行者数は30万人に上る。その潜在力を生かすため、相鉄アーバンクリエイツは、「テナントを入れ替え、ゾーニングも変更する」(稲本社長)全面改装に乗り出す。テナントとの交渉は難航も予想されるが、14年までに完了させる計画だ。