世界の富豪がいま、次々お金を突っ込む「投資先」 ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクも参入

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2つ目は、「クライメートテック:Climate Tech」という分野のベンチャー企業への投資です。クライメートテックは、CO2排出量の削減や地球温暖化対策に焦点を合わせた技術です。海外では、クライメートテックに特化した5000億円規模のベンチャーキャピタルが設立されています。クライメートテック分野では、企業評価額が10億ドル以上で、設立10年以内の非上場ベンチャー企業である「ユニコーン」が誕生し始めています。

3つ目は、カーボンクレジット市場です。仕掛け人の1人は、英イングランド銀行の元総裁であるマーク・カーニー氏です。カーニー氏は、先ほどご紹介したTCFDの設立にブルームバーグ氏と共に大きく関与しました。

現在、同氏は、自主的カーボンクレジット市場の立ち上げに尽力しています。カーボンクレジット市場が2050年には現在の150倍以上に拡大すると予想されており、それを見越しての動きです。

バブルを乗り越えるには

脱炭素に流れ込む大量のマネー。それを期待して生まれる新たな投資分野。それらを勘案すると「これはやはりバブルになるだろう」と誰もが気がつくでしょう。「脱炭素バブル、グリーンバブル」はすでに始まっているのかもしれません。

『2025年「脱炭素」のリアルチャンス すべての業界を襲う大変化に乗り遅れるな!』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

お金儲けのネタになってしまうことで、結果的に経済がおかしくなってしまうという懸念もあります。例えば、ベンチャーキャピタルから投資を受けたクライメートテック分野のベンチャー企業の10社中9社は生き残れないでしょう。

バブルになることを私は否定しません。バブルがいいとも思いません。しかし、毛嫌いもしていません。ビジネスパーソンとして「なぜ、干し草に火がつくように燃え上がっているのか。なぜ、火の勢いが強くなっているのか」を冷静に考えます。

それは、それ自体が多くの人にとってメリットがあるからです。脱炭素化は、社会・経済の下剋上であり、富の大移転です。バブルであると考えるなら、巻き込まれるのではなく、企業は、「したたか」かつ「しなやか」に乗り越えていかなくてはいけないのです。

江田 健二 RAUL代表取締役

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富山県出身。慶応義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュア入社。エネルギー/化学産業本部に所属。2005年にRAUL設立。エネルギー情報センター理事。

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