世界の富豪がいま、次々お金を突っ込む「投資先」 ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクも参入
投資先企業の分野は、CO2貯留技術、省エネ、太陽光発電、蓄電、熱供給、バイオ燃料、食料品、鉄鋼、ヤシ油代替品、脱炭素コンクリート、核融合エネルギー、CO2フリーディーゼル燃料、天然ガスの脱炭素推進、地熱発電、微生物発酵、空気清浄、水素燃料、電気飛行機、農業、モビリティ、林業、水力発電、肥料、EV用蓄電池、電力、廃棄物、水供給、電気モーター などと多岐にわたります。
投資先企業としては、全固体電池のQuantumScape、水素燃料電池飛行機のZeroAvia 等があります。
私にとっては、10億円でも大変な金額ですが、1兆円という、想像を超える金額を寄付や投資しています。彼らは、社会貢献への思いだけで、これらを行ってはいないでしょう。EQだけでなくIQで考え、より長期的に効率よく資金を増やせる先として「脱炭素の推進」を選んでいるのではないでしょうか。
環境分野には長期的に「お金が流れ込む」
そもそも世界を脱炭素社会に転換するには、どれくらいのお金がかかるのでしょうか?国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2050年に世界全体の脱炭素達成には、最大130兆ドルのエネルギー投資が必要であると発表しています。
単純計算すると1年で約400兆円の投資が必要になります。日本の国家予算(一般会計)が年100兆円程度です。この数字からも、世界が脱炭素社会に移行することがどれだけ大変なことかが想像できます。
一方でこれだけの規模のお金が必要ということは、脱炭素はこれから20年、30年という長期で「お金が流れ込む」分野だととらえることもできます。脱炭素への転換は、世界規模の「富の移転」をもたらすのです。
「富の移転」とは、ある人・企業・国から別の人・企業・国にお金が移動することです。移転のタイミングに新たなビジネスチャンスがあります。すでにビジネスチャンスを求めて、様々な投資分野が生まれています。興味深い例をいくつか紹介します。
1つ目は、インパクト投資です。インパクト投資は、ESG投資の一種ですが、環境や社会へのいい変化を生み出すことが投資の第一目的です。投資先分野としては、「食料の安定確保/持続可能な農業」「再生可能エネルギー」「健康/医療」などがあります。経済的なリターンと同時に、計測が可能な、社会への良い影響を生み出せることが投資条件です。投資対象は、未公開株(株式公開していない株式)や債券が中心です。
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