1月19日、東京都および13県に対し「まん延防止等重点措置」が適用された。すでに適用されていた3県と、1月25日に新たに追加の18道府県を合わせると、対象は全国で計34都道府県に上る。
昨秋からだいぶ大人しくしていた新型コロナだが、オミクロン株の出現であっという間に勢いを盛り返した。1日あたり新規感染数は全国で6万人超(1月25日)、東京では1万人超(同22日)となり、それぞれ過去最多を更新し続けている。
五度目の「緊急事態宣言」が頭をよぎる。
だが、私はこれ以上の行動制限には、非常に懐疑的だ。感染拡大を抑え込むことができたとしても、医師として警鐘を鳴らすべき健康上の懸念が3つある。
②「健診・受診控え」による病気の発見や治療の遅れ
③「こころ」の健康問題と自殺者数の増加
以下、詳しく見ていきたい。
「体力低下」と「生活習慣病」
行動制限がもたらす最初の懸念は、①運動不足からくる「体力低下」と「生活習慣病」だ。
さまざまな社会活動を自粛すれば、感染リスクは下がるかもしれない。だが、コロナ禍において私たちの体力は確実に低下してきた。
2020年のスポーツ庁「体力・運動能力調査」では、新型コロナ発生前の2019年に比べておおむね全世代(中学生~79歳)で体力低下が見られた。
自宅やその周辺で、一人でできる運動もあるが、習慣やきっかけがなければ誰もが自発的に取り組めるわけではない。
運動不足は、生活習慣病を招く。
例えば肥満と糖尿病だ。どちらも動脈硬化を助長して心血管疾患を招くうえに、新型コロナ重症化のリスク要因でもある。
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