医師が警鐘「ステイホームによる健康被害は深刻」 全世代で「体力低下」、4人に1人が「コロナ太り」

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日本生活習慣病予防協会が2021年3月、一般生活者3000人と医師100人を対象に実態調査を行った。その結果、一般生活者の4人に1人が「コロナ太り」と回答し、男女とも30代で多い傾向が見られた。

糖尿病に関しては、半数以上の医師が「コロナ禍で患者のHbA1c値(過去1~2カ月間の平均的な血糖レベルを示す血液検査値)が悪化している」とした。8割の医師が「コロナ禍で糖尿病のリスクが高まった」と実感している。

生活習慣病の状況をさらに深刻にしているのが、②「健診・受診控え」だ。

病気の発見が遅れたり、通院を中断したりして、適切なタイミングでの治療の機会を逃してしまう。

先の日本生活習慣病予防協会の調査でも、一般生活者の約半数が「コロナ禍に健康診断・人間ドックを受診していない」と回答した。これは、約4割の医師が「コロナ禍で健康診断・人間ドックの受診が減っている」と回答したことともおおむね一致する。

緊急事態宣言下でも、受診や健診は制限されたわけではない。だが、院内・市中感染を恐れたり、自粛ムードを肌で感じ、感覚的に「不要不急」と判断して先延ばしにした人が多いようだ。

「受診・健診控え」で起きていること

健康保険組合連合会のアンケート調査では、2020年4~5月の緊急事態宣言中、持病がありながら通院を控えた人の7割が「体調が悪くなったとは感じない」と考えていた。だが、これはあくまで1カ月という短期間の調査結果だ。

⽇本医師会総合政策研究機構による糖尿病患者の調査(「日医総研リサーチエッセイ No.96」)では、2020 年4~9月の半年間にコロナ禍で受診回数が「大きく減少した」患者は、受診頻度が「変わらない」「少し減少した」患者に比べて血糖コントロールが悪化していた。

血糖値の悪化は、即座に自覚症状となって表れるわけではない。知らないうちに、少しずつ健康が損なわれていくのだ。

「がん」診療への影響も明らかになってきた。がんの多くは初期には自覚症状が出にくいため、健診控えが起きやすいのだろう。

日本対がん協会によれば、2020年は主要な5種類のがん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん)の検査件数が合計で前年比3割減、診断件数も1割減となった。早期発見が減少し、約2100のがんが未発見となった可能性も指摘されている。

これは日本に限った現象ではない。例えばアメリカの調査でも、2020年は前年と比べてがんの検査、受診、治療、手術の件数が大幅に減少した。4月のパンデミックのピーク時には、乳がん、結腸がん、前立腺がん、肺がんの検査が、それぞれ85%、75%、74%、56%も減少したという。

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