人口減の中で「超便利な物流」を維持できるか

最終回は、JR貨物でモーダルシフトを考える

現在、JR貨物の年間の輸送量は約3000万トン。10トントラック約300万台分だ。26両編成の貨物列車の輸送能力は、10トントラック約65台分に相当する。

その貨物列車の1日当たりの運行距離は約21万キロメートル。これは、地球を約5.5周するのに匹敵する長さ。「鉄道貨物は過去のもの」という印象を持つ読者も多いだろうが、その存在意義は高まっている。

拠点整備も進む

東京貨物ターミナル駅には荷役線が10本ある

JR貨物の拠点ではニーズに合わせた設備の進化も続いている。目下、行っているのが品川区八潮にある東京貨物ターミナル駅の整備。ここは、日本最大級の貨物駅で、敷地面積は約75万平方㍍で、全長約600メートルのコンテナ荷役線が10線、設置されている。9月10日、この東京貨物ターミナル駅の南側に約300億円を投資して、新しい物流センター2棟を建設する計画を明らかにしたのだ。

その狙いは、モーダルシフトの一層の推進。顧客に物流センターで荷捌きや詰め替えをしてもらうことで、貨物駅までの輸送コストを抑えようというわけだ。

この東京貨物ターミナル駅は、大井埠頭に隣接している。羽田空港にも近い。第3回連載で訪ねた、ヤマト運輸の一大拠点も近くにある。近い将来、船で運ばれてきたコンテナや、航空貨物は、鉄道貨物へ、あるいはトラック輸送へ、と効率的にさばかれていくはずだ。

人が減っても効率的に荷物を運ぶための取り組みは、今のうちに進めていかなければならない。うまくいかなければ、あらゆる経済活動が大きな制約を受けることになる。「物流の危機」については、もっと注目されてもいいと思う。

(構成:片瀬京子)

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