「雇用、雇用、雇用」(菅首相)と三唱しても雇用は生まれない--では、どうするべきか?

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ちなみに、この「誕生権経済」政策は、次の代のクリントン大統領の時代に開花・収穫期を迎えることになる。

「誕生権経済」は、新規参入権を認めて後押しする経済政策である。新しい企業にマーケットへの新規参入権を認め、競争を起こして、既得権にアグラをかいるような旧態依然の企業を衰退させる自由を認めたわけである。

「誕生権経済」は、既得権を守ることでのみ生き永らえてきた旧態企業の“デスライト”(死亡権)、死ぬ自由を認めた経済であった。

競争によって、経済・企業の新陳代謝を促進したわけである。

菅首相の「雇用、雇用、雇用」三唱政策は、補助金投入で競争力を失いかけている企業を延命させる政策に見えないではない。企業の“デスライト”を否定することは、新たな企業の“バースライト”を否定することにつながる。

企業の競争や自助努力によって新陳代謝を促進する経済政策とは逆のスタンスに見えてしまう面が否定できない。

「失われた10年」が「失われた20年」になり、さらに「失われた30年」になりかねないのは、経済政策の貧困、すなわち政治の貧困のなせる業というしかないのではないか。

「それ仁政は必ず経界より始まる」--これは2400年前の経済・政治通である孟子の言葉だが、「失われた30年」は、悪政の極みというしかない。               
(東洋経済HRオンライン編集部)

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