中国の自動車輸出台数が2021年に初めて200万台を突破した。中国汽車工業協会が1月12日に発表したデータによれば、中国の自動車メーカー(訳注:外資系メーカーの現地法人を含む)が同年に輸出した完成車の台数は201万5000台に達した。
これは前年の約2倍の急増ぶりだ。中国の自動車輸出は2012年に初めて100万台を超えた後、ずっと伸び悩んでいた。2018年の輸出台数は104万1000台で、2019年と2020年は2年連続で減少。ところが2021年に入って状況が様変わりした。
輸出急増を牽引するのはEV(電気自動車)を中心とする「新エネルギー車」だ。2021年の輸出台数は前年の4倍の31万台に達した。中国の貿易統計によれば、輸出先の上位10カ国(台数ベース)はベルギー、バングラデシュ、イギリス、インド、タイ、ドイツ、スロベニア、フランス、オーストラリア、ノルウェーである。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
新エネルギー車輸出の半分超がテスラ
上位10カ国の顔ぶれからわかるように、中国製の新エネルギー車の輸出先は欧州、南アジア、東南アジアが中心になっている。なかでも(自動車産業の先進地域である)欧州の比率が高いのは注目に値する。
「欧洲が中国製の新エネルギー車の一大市場となったことは、国産メーカーの国際競争力の高まりを体現している」。中国汽車工業協会の秘書長を務める付炳鋒氏は、データの発表会でそう述べた。同協会の副秘書長の師建華氏は、さらにこう補足した。
「中国の自動車産業はエンジン車に関しては他国に後れを取り、製品の競争力もブランド力も劣るため、輸出先は発展途上国にほぼ限られていた。だが新エネルギー車に関しては、他国に先行して事業化を進めることができた。そんななか、欧州で二酸化炭素(CO2)の排出規制が厳しくなり、新エネルギー車の需要が急速に高まった。これは中国メーカーにとって絶好の商機だ」
もっとも、メーカー別の輸出台数には大きなばらつきがある。特筆すべきなのはアメリカのEV大手、テスラの中国法人だ。上海工場で生産したEVを2021年に16万台以上も輸出した。つまり、中国の新エネルギー車の輸出は全体の半分超がテスラ車だったことになる。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は1月12日
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