「生理前に不機嫌な彼女」の身体で起きていること 機嫌や気分の浮き沈みはホルモンが関係している

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どのように対処すればいいのでしょうか? 

いちばん簡単な方法は、「ピル」の服用、または「ホルモンが付加されたそのほかの避妊手段」の利用です。ピルの場合、休薬期間をとらずに連続して服用するのがよいでしょう。

「ビタミンD」を大量に摂取することも、PMS対策に有効であることが明らかになっています。

イランで実施された897人の若い女性を対象にした調査で、週に50000IU(これは非常に高用量です)のビタミンDを摂取したところ、PMSの発生率が15%から5%へと減少したのです。同研究では、腹痛や腰痛に悩まされる女性の数が少なくなったことも報告されています。

長期的な視点に立てば、「食事バランスの改善」には価値があると言えます。パン、ビックマック、コーラなどを中心とした食生活を送っていると、PMSをコントロールしていくうえでの悪条件が揃ってしまいます。また、運動、そして十分な水分補給も症状の緩和に効果的です。

「月経前症候群(PMS)」と上手に付き合う方法

母なる自然は、いったいどんな意図をもってPMSのような試練を私たち女性に与えたのでしょうか? あくまでも憶測ですが、受精卵をうまく着床させるために女性が巣ごもりするように、あるいはまもなく訪れる失血に備えて体を休めるように、という“太古の自然の摂理”が働いているのかもしれません。

それにしても、PMSを完全に「否定的」にとらえる必要はありません。PMSのせいで離婚を決断してしまったり、誰にも気づかれず上司を毒殺する方法を真剣に考えてしまうというのであれば話は別ですが、生理前の時間は自らを顧みるよい機会になります。

自分自身の欲求を無視していませんか? 他人のために自分を犠牲にしていませんか? 無意識のうちにとらわれていることがあっても、日々の生活に追われていると、つい自分自身を見逃してしまいがちです。

そこへホルモンの低気圧前線が発生すると、天気は大荒れ。どしゃ降りの雨が表面を洗いながし、隠れていた問題があらわになります。そのとき私たちはようやく問題の存在を認識して、それを正すことができるようになるのです。

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