『絶倫食』を書いた小泉武夫氏(食文化論者、発酵学者)に聞く--イチジクとスルメを一緒に食してはどうか

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--よい肉の食べ方は?

肉の食べ方で健康的なのはすき焼き。肉は少なく具が多い。その具は皆、繊維質。たとえば豆腐、ねぎ、さらにごぼう、しらたきなどなど。肉を繊維質と食べるとお通じがよくなって、腸もよく掃除される。

韓国では焼き肉をいっぱい食べるが、サラダ菜に包んだり、キムチと一緒に食べたり、同時に繊維質をとる。中国では豚肉でも牛肉でも野菜と炒めて食べる。目を転じて、アングロサクソンの人たちは肉を食べるとき、必ずフルーツとかサラダとか、ここでも繊維質のものをとる。肉の「一点食い」はよくないのだ。

実は、私のいちばん好きな肉料理はトン汁。これがあれば、ほかにおかずはいらない。トン汁類はみそ汁にごぼう、ニンジン、ねぎが入って、時に里芋、それに豚のコマ切れ。繊維質はたっぷりだ。

--江戸時代の活力源に、ウナギ、どじょうとあります。

ウナギは昔から夏バテにも効くといわれるのは、タンパク質が多く、食べるとすぐ精力活性ペプチドに切り替わってエネルギー源になるから。皮のところのゼラチンとコラーゲンは潤滑油になってくれる。

一方のどじょうは、ウナギ同様に効くといわれているが、どじょうにはタウリンという物質が多い。ちょっと苦みを感じるのはこのせい。江戸時代にはどじょうを干して粉にし、体が弱ったときに飲むと元気になると重宝された。

ウナギもどじょうも、共にぬらぬらしている。それで蛇と同じように執念のあるように感じられて、強いとのイメージを植え付けられたともいう。

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