オミクロンで小売業界が直面している「超地獄」 スタッフが感染や濃厚接触で次々と離脱

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小売り卸売りデパート労働組合に加入するミリアムはワクチン接種済みだったが、クリスマス期間中に新型コロナに感染し軽度の症状に見舞われた。ミリアムが働く店舗ではレジ担当や服の整理を担当する従業員が足りなくなり、午前中は試着室を使用不可とする対応がとられたという。

百貨店のメイシーズは1月初旬、月曜日から木曜日の店舗営業時間を1月いっぱい全国的に短縮すると発表。アップル直営のアップルストアも、少なくとも20店舗がここ数週間で休業に追い込まれている。感染したり、感染者と濃厚接触したりした従業員の数があまりにも多くなったためだ。それ以外のアップルストアでも、営業時間の短縮や入店制限が実施されている。

ワシントン州リンウッドのメイシーズの紳士服部門で長年、販売員として働くリーサ・ルイックによると、同店では2020年の段階ですでに経費削減目的の人員削減が行われていた。そして今、ルイックは、接客がない、レジに店員がいない、といった客からの苦情対応に追われ、休憩できないこともしばしばだ。

「やる気は落ちるところまで落ちている」と、アメリカ食品商業労働組合の地域支部責任者の1人でもあるルイックは話す。ワシントン州では屋内の公共空間のマスク着用が義務化されているが、「着用を拒む人は多く、それが(小売り現場の)さらなる士気低下につながっている」と言う。「マスクの効果を信じていない人たちが多すぎる」。

従業員に不安を抱かせる会社の方針

アメリカ食品商業労働組合の調べでは、パンデミックが始まってから200人を超える小売り従業員が新型コロナで死亡した。店舗従業員の多くはワクチンやブースター接種のおかげで2020年に比べれば生命の危険を感じることは減ったと言うが、それでも自らが感染したり、周囲に感染を広げたりしないかと神経をすり減らす日々が続く。

ニューヨーク州オイスターベイのスーパー、ストップ&ショップでフロントエンド業務の責任者をしているウォリー・ウォーは、本人や家族の感染で欠勤となる従業員があまりに多くなったことから、レジ待ちの行列が長くなり、陳列棚への商品の補充が追いつかなくなっていると話す。

隔離ガイドラインの変更も、多くの店舗で混乱の原因となっている。H&Mが検査で陽性となってから14日間の隔離を従業員に指示する一方、メイシーズは1月初旬、アメリカ疾病対策センター(CDC)の新たなガイドラインを採用し、感染しても無症状または症状が回復傾向にある場合は隔離期間を10日から5日に短縮すると従業員に伝えた。

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