オミクロンで小売業界が直面している「超地獄」 スタッフが感染や濃厚接触で次々と離脱

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ただ小売店従業員の隔離期間が短縮されたとしても、学校や保育施設では陽性者と接触した家族にそれより長い隔離が求められることが多いため、子どもを持つ店舗従業員は苦しい立場に置かれることになる。

メイシーズのルイックは、会社による隔離ガイドラインの変更は「従業員を働かせ続けること」が目的であり、職場の安全が高まったようには感じられないと話す。

必要なのは持続可能な支援策

オミクロン株は急速に感染を広げている。それにもかかわらず、以前のような予防策や割増賃金を再導入する姿勢が雇用主には見られないと、アメリカ食品商業労働組合のデンバー地域支部で会計責任者を務めるケビン・シュナイダーは指摘する。

人手不足が深刻化したことでワクチン接種もしくは検査の義務化というバイデン政権の方針も新たな焦点になっている。接種もしくは検査の義務化に小売業界は反対しているが、こうした措置が人手不足に拍車をかけるおそれは、ここに来てさらに強まっている。

業界ロビー団体のアメリカ小売業協会は1月初旬、「労働安全衛生局(OSHA)がワクチン接種および検査の義務化を命じたのは越権行為だとの考えに変わりはない」とする声明を発表。こうした命令によりアメリカ全土で毎週2000万回の検査が必要となるとの推計を示し、「現時点ではそのような検査能力は存在しない」と断じた。

新型コロナ感染が定期的に繰り返される状況が常態となる中、北カリフォルニアの食品商業労働組合で運動戦略の責任者を務めるジム・アラビーは、小売業界は感染した従業員に対し、もっと持続可能な支援策を導入する必要があると語る。

例えば、アラビーによると、労働組合と複数の雇用主で共同管理されている基金は、新型コロナに関連した病欠手当がもはや支給できない状態になっている。

「私たちは新型コロナを(一定の周期で普通に繰り返される)エンデミックとして扱い、それに対応するにはどのような構造的な問題があるのかを考え始めなくてはならない」とアラビーは言う。

(執筆:Sapna Maheshwari記者、Michael Corkery記者)
(C)2022 The New York Times News Services

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