子どもの育成環境は非常にネガティブ
レジャー予約サイトを運営するアソビューは2021年5月、子どもを持つ親を対象としたアンケート結果を公表した。それによると、「親の目線からみて外出自粛が子どもに負荷やストレスを与えているか」という問いに対し、回答者5329人の78.9%が「与えている」と答えた。
理由を尋ねると(複数回答)、答えは多い順に「お出かけやレジャー施設へ遊びに行くことの制限」(80.6%)、「行事やイベントごとの中止」(72.9%)、「長時間家にいること」(58.3%)などとなった。
また、文部科学省が昨年9月に公表した「青少年体験活動に関する調査研究」結果によると、2万人の子どもと親を18年間追跡調査した結果として、小学生のころに川遊びや農業体験、スポーツ観戦などの体験活動を多く経験していた子どもは、高校生のときに自尊感情や自分のことを活発だと思う外向性、精神的な回復力などが高くなることが明らかになった。
――アソビューや文科省の調査結果から何が見えるのでしょうか。
山野:長時間、家にいることが子どもにとっていかにストレスか。それがデータとして改めてわかりました。コロナ禍で、遊びに行くことへの制限やイベントの中止が続き、その傾向が顕著になったと思います。
新型コロナによる感染防止のため自粛などの対策はやむをえないことです。でも、子どもが置かれている状況やそれへの不満は、なかなか社会課題として取り上げられません。政治の中心は大人ですが、未来の主役は子どもたちなのに……。子どもの育成環境という観点からみると、非常にネガティブな時代が到来したと言えるのではないでしょうか。
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