コロナで「売れた」「売れなくなった」商品TOP30 緊急事態宣言解除で外出機会の増加はどう影響?

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ここで言うしわとり剤とは、顔のシワを取る基礎化粧品を指しているのではなく、衣類のシワをとるミスト類のことを指している。当然、外出するから必要になるアイテムだ。

2021年1~2月は2年前比60%台で推移していたのに、3月に入って突然130%台に乗り、5~7月頃まではおおむね100%以上の水準が継続。その後は10月4日週、10月18日週、10月25日週に大きく伸びた一方、11月22日週には86.3%と、週によって大きく変動する現象が続いている。

このカテゴリーは、衣類のシワを伸ばすミストのカテゴリーなので、従来は衣替えの時期と大雨の直後にピンポイントで利用が増える傾向にあったはずだ。

したがって、2019年比で落ち込んでいる週は、2年前の同じ週が、急に気温の変動があったかもしくは大雨が降ったなどで需要が伸びた反動なのだろう。

アイロンをかけないで着る衣料に使える「ミスト」

それでは3月に突然大きく伸びた理由は何か。答えは花王が発売した2種類のミスト「エマールリフレッシュミスト」と「エマールカタチメイクミスト」の大ヒットである。

「リフレッシュミスト」はシワや消臭抗菌、ウイルス除去効果、「カタチメイクミスト」は消臭・抗菌効果に加え、スカートのプリーツを指先で整えることができるなど、文字どおり「カタチをメイクする」効果で訴求した。昨年の春、渡辺直美さんを起用したCMを見た記憶がある読者諸氏もおいでだろう。

いずれも「10代~20代の若年層に刺さった」(花王広報)そうで、10代~20代は軽質洗剤(おしゃれ着用洗剤)の利用者の1割にすぎないが、ミストでは3割を占めるという。

この年代は洗濯は親任せの人が多いはずで、ジーンズなど洗濯頻度が低い衣料に使って臭いを消したり、ポロシャツやTシャツなど、基本的にアイロンをかけないで着る衣料に使って買いたての感触を楽しむらしい。

衣替えでしまい込んでいた衣料のしわとりという、従来型の使い方とは異なる使い方をするため、リピート率も高い。それが一過性ではないヒットにつながったようだ。

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