「本業赤字」イオンが踏み切る大改革

消費トレンドの変化に気付いていなかった

完全子会社化でついに「ダイエー」の屋号も2018年頃には姿を消す(ダイエー東大島店、撮影:大塚一仁)

では業界他社の上期の販売動向はどうか。マルエツ、ライフコーポレーションなど、首都圏の食品スーパーは順調だった。その背景には量目の拡充や高質商品の拡販がある。説明会では岡田社長に対し、「低価格に拘泥し、高質品や高額品への需要を取りこぼしているのではないか」、との意図の質問が複数なされた。が、岡田社長は、「顧客が求めているのは安い商品。同じ商品なら安い価格だ。高額品(が売れているのは)は百貨店などごく一部のこと」と、自説を曲げることはなかった。

イオンの場合、欧米各国で増税後に低価格のDS業態が成長した事例を基に、「ザ・ビック」「アコレ」など同業態の拡大に注力している。しかし、地域子会社によっては、DS業態も低迷している。大池学専務執行役は「行き詰まったとは考えていない」とするが、原価低減やローコスト運営も大きな課題だ。

GMSの中でイオンは、消費増税前から最も価格戦略を重視してきた企業と言えよう。イオンの不振について、消費トレンドの潮目が変わったことと結び付ける向きもある。増税後の短期間の結果で安易に判断を下すことはできないが、イオンが世のトレンドと逆ベクトルに進んでいる可能性もある。

「商品の提案の仕方や切り口などが顧客に合っていなかった」と、反省を口にする岡田社長だが、求められるのは結果だ。前期のように、期末直前に業績下方修正を公表すれば、市場からの信認は失墜しよう。下期、業績計画を達成できるか否か。イオンを高いハードルが待ち受けている。

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