『食べて、祈って、恋をして』--成長するインドに頼るのも一案《宿輪純一のシネマ経済学》

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 その次にはインドに渡る。ニューデリーから65キロのところにある都市パタウディのヒンドゥー教寺院(アシュラム)で瞑想にふけり修行する。その後、次第に心の平安を取り戻していく。ここでのヒンドゥー教をベースとするインドの文化が非常に興味深い。

最後に同じヒンドゥー教の影響を受けたインドネシアのバリ島で、運命の恋人フェリペ(ハビエル・バルデム)と出会い、お約束だが恋に落ちる(ちなみに、彼は実生活では同じスペイン人のぺネロぺ・クルスの夫である)。

この映画で、特に印象深いのはなんといっても「インド」である。『アバター』もインドの影響を受けた映画であるが、本作品はヒンドゥー教も重要な要素となっている。

現在、インドは経済の面で注目され始めている。最近は経済成長において人口が重要なファクターとされることが多い。インドの人口は約12億人であるが、ヒンドゥー教の影響もあり人口増加率が高い。中国は一人っ子政策を採用しており、人口もいずれ中国を抜いて1位になると予想されている。さらに、インドの国土は大きくEU程度の広さ(ちなみにEUの人口は約5億人)がある。すなわち、今後高い成長が続く可能性が高いということになる。実際、EUとインドには近似性があり、インドにおける州は、言葉も文化も違うため、EUにおける国に当たるという感覚である。

さらに、インドは教育に力を入れ、IT関連の能力は高い。まだまだ発展途上国ということもあるが、その経済成長率も高い。現在、日本は官民一体でインド国内のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)プロジェクトなどのインフラ構築に協力している。現在、インドとのEPAを実質合意の段階であるが進めており、来年後半に発効させる予定である(ちなみに、韓国は1月にインドとのEPAを発効させており、ここでも2年程度は遅れをとった)。

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